目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「胃がん」の治療で使用する抗がん剤の種類とは?【医師監修】

「胃がん」の治療で使用する抗がん剤の種類とは?【医師監修】

 公開日:2026/01/14
薬物療法と放射線療法の役割

胃がん治療では、手術に加えて薬物療法が重要な役割を果たします。手術の効果を高める補助療法として、あるいは進行がんに対する主要な治療として用いられます。ここでは、化学療法の種類と実施方法、新しいタイプの薬剤による治療の進展について詳しくご説明します。

水野 靖大

監修医師
水野 靖大(マールクリニック横須賀)

プロフィールをもっと見る
【経歴】
京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院、北野病院、日赤和歌山医療センター、東京大学医科学研究所附属病院などで腹部外科医として患者の全身管理や救急の現場に従事。
2012年にマールクリニック横須賀(神奈川県横須賀市)を開院し、院長を務める。

【専門・資格・所属】
日本外科学会 外科専門医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本旅行医学会 旅行医学認定医

薬物療法と放射線療法の役割

胃がん治療では、手術に加えて薬物療法が用いられることがあります。これらは手術の効果を高めたり、手術が困難な進行がんに対して症状を緩和したりする目的で行われます。

化学療法の種類と実施方法

化学療法は抗がん剤を用いた治療で、手術前後の補助療法として、あるいは遠隔転移がある場合の主要な治療として実施されます。手術前に行う術前化学療法は、がんを縮小させて手術をより円滑に行うことを目的としています。手術後に行う術後化学療法は、微小な転移を根絶し再発を防ぐことが目的です。

使用される抗がん剤には複数の種類があり、患者さんの状態やがんの特性に応じて組み合わせて使用されます。代表的な薬剤としては、フルオロウラシル系薬剤、プラチナ製剤、タキサン系薬剤などがあります。

化学療法には副作用が伴います。吐き気、食欲不振、脱毛、骨髄抑制による感染リスクの増加などが代表的です。近年では支持療法の進歩により、副作用をコントロールしながら治療を継続できるようになってきています。副作用の程度には個人差があり、医師と相談しながら対処法を見つけることが重要です。

分子標的薬と免疫療法の進展

近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬といった新しいタイプの薬剤が胃がん治療に導入されています。分子標的薬は、がん細胞に特有の分子を標的として作用するため、正常細胞への影響が少ないという特徴があります。

HER2陽性の胃がんに対しては、トラスツズマブという分子標的薬が使用されます。HER2は細胞の増殖に関わるタンパク質で、一部の胃がんではこのタンパク質が過剰に発現しています。HER2陽性かどうかは病理検査で調べることができ、陽性であればこの薬剤の効果が期待できる場合があります。

免疫チェックポイント阻害薬は、身体の免疫システムを活性化してがん細胞を攻撃させる薬剤です。一部の進行胃がんに対して有効性が示されており、治療選択肢の一つとなっています。これらの新しい治療法により、進行胃がんの予後が改善しつつあります。

まとめ

胃がんの主な原因はピロリ菌感染であり、早期発見・早期治療によって完治が期待できるがんです。まずはご自身のピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌治療を受けることが効果的な予防策です。そのうえで、年齢やリスク因子(ピロリ菌感染歴、萎縮性胃炎、家族歴など)に応じて定期的な内視鏡検査を受けることで、胃がんの早期発見につながるでしょう。気になる症状がある場合や、ご自身の胃がんリスクについて不安がある場合は、消化器内科の医療機関に相談することをおすすめします。

この記事の監修医師

注目記事