「胃がん早期発見」のために大切な内視鏡検査とは?【医師監修】

内視鏡検査は、胃がんの早期発見において中心的な役割を果たす検査方法です。胃の内部を直接観察できるため、小さな病変も見逃しにくく、疑わしい部分があればその場で組織を採取できます。ここでは、内視鏡検査の特徴と、ほかの検査方法との違いについてご説明します。

監修医師:
水野 靖大(マールクリニック横須賀)
京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院、北野病院、日赤和歌山医療センター、東京大学医科学研究所附属病院などで腹部外科医として患者の全身管理や救急の現場に従事。
2012年にマールクリニック横須賀(神奈川県横須賀市)を開院し、院長を務める。
【専門・資格・所属】
日本外科学会 外科専門医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本旅行医学会 旅行医学認定医
内視鏡検査による胃がんの早期発見
内視鏡検査は、胃がんの早期発見において重要な検査手段です。胃の内部を直接観察でき、疑わしい病変があればその場で組織を採取して診断することができます。
上部消化管内視鏡検査の概要と特徴
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は、先端にカメラを搭載した細い管を口または鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸を直接観察する検査です。粘膜の色調変化や凹凸、血管パターンなどを詳細に観察できるため、早期胃がんの発見率が高いという特徴があります。
検査時間は通常10分から15分程度で、苦痛を軽減するために鎮静剤を使用することもできます。鎮静剤を使用した場合は、検査後に休息時間が必要となり、当日の車の運転は避ける必要があります。
内視鏡検査では、がんが疑われる部位があれば生検(組織採取)を行い、病理検査で確定診断をつけることができます。また、早期胃がんであれば、内視鏡的切除術を行うことも可能です。これにより、開腹手術を避けられる場合があります。
バリウム検査との比較と選択基準
胃がん検診では、バリウム検査(上部消化管造影検査)も広く用いられています。バリウムという造影剤を飲み、X線撮影によって胃の形状や粘膜の異常を調べる検査です。
バリウム検査は比較的多くの検査を行うことができるので、人的問題で内視鏡検査が受けにくい地域では今も需要があります。しかし、早期胃がんの検出感度は内視鏡検査に比べて劣るとされています。特に平坦な病変や小さな病変は見逃される可能性があるため、異常が指摘された場合は必ず内視鏡検査による精密検査が必要です。
内視鏡検査が受けにくい事情がある場合以外は、内視鏡検査をおすすめします。特に、リスクが高い方、たとえばピロリ菌に感染している、あるいは過去に感染しており萎縮性胃炎が進行している方、胃がんの家族歴がある方などは、精度の高い内視鏡検査を選択することを推奨します
まとめ
胃がんの主な原因はピロリ菌感染であり、早期発見・早期治療によって完治が期待できるがんです。まずはご自身のピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌治療を受けることが効果的な予防策です。そのうえで、年齢やリスク因子(ピロリ菌感染歴、萎縮性胃炎、家族歴など)に応じて定期的な内視鏡検査を受けることで、胃がんの早期発見につながるでしょう。気になる症状がある場合や、ご自身の胃がんリスクについて不安がある場合は、消化器内科の医療機関に相談することをおすすめします。