「胃がん」が転移するとどんな症状が現れる?【医師監修】

胃がんが進行すると、より明確な症状が現れるようになります。消化器症状の持続的な悪化や、全身に及ぶさまざまな兆候が見られることがあります。ここでは、進行胃がんで特徴的な症状と、緊急性の高いサインについて詳しくご説明します。

監修医師:
水野 靖大(マールクリニック横須賀)
京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院、北野病院、日赤和歌山医療センター、東京大学医科学研究所附属病院などで腹部外科医として患者の全身管理や救急の現場に従事。
2012年にマールクリニック横須賀(神奈川県横須賀市)を開院し、院長を務める。
【専門・資格・所属】
日本外科学会 外科専門医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本旅行医学会 旅行医学認定医
進行胃がんで現れる具体的な症状
進行胃がんでは、より明確な症状が現れるようになります。がん細胞が胃壁の深い層まで浸潤しており、周囲のリンパ節や臓器に転移していたりする可能性があります。
消化器症状の悪化と持続
進行胃がんでは、胃の痛みや不快感が持続的に現れることもあります。食事に関係なく痛みが続く、夜間や空腹時に痛みが強くなるといった特徴が見られることもあります。また、吐き気や嘔吐が頻繁に起こるようになり、食事が困難になる場合もあります。
黒色便や吐血といった出血症状も進行胃がんの重要なサインです。がんが胃壁の血管を侵すことで出血が起こり、便が黒くタール状になることがあります。吐血は、出血が多量である場合や胃内に血液が溜まった場合に見られます。これらの症状が現れた場合は、緊急性が高いため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
嚥下困難、つまり食べ物や飲み物が飲み込みにくくなる症状も注意が必要です。胃がんが食道に近い部分に発生している場合や、がんが大きくなって通過障害を起こしている場合に現れます。
全身症状と転移に関連した兆候
胃がんが進行し、転移が起こると全身的な症状が現れることがあります。貧血は、慢性的な出血により徐々に進行します。顔色が悪い、息切れしやすい、疲れやすいといった症状が見られます。
腹水が溜まると、お腹が張った感じや膨満感が強くなります。がん性腹膜炎により腹水が貯留することがあり、この場合はかなり胃がんが進行している状態です。また、肝臓への転移がある場合は、黄疸や右上腹部の痛みが現れることがあります。
リンパ節転移が進行すると、首や鎖骨上のリンパ節が腫れて触れるようになることもあります。特に左鎖骨上のリンパ節腫大は、胃がんの遠隔転移を示唆する所見として知られています。これらの症状が現れた場合は、速やかに専門の医師の診察を受けることが求められます。
まとめ
胃がんの主な原因はピロリ菌感染であり、早期発見・早期治療によって完治が期待できるがんです。まずはご自身のピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌治療を受けることが効果的な予防策です。そのうえで、年齢やリスク因子(ピロリ菌感染歴、萎縮性胃炎、家族歴など)に応じて定期的な内視鏡検査を受けることで、胃がんの早期発見につながるでしょう。気になる症状がある場合や、ご自身の胃がんリスクについて不安がある場合は、消化器内科の医療機関に相談することをおすすめします。