カテキンは特定の栄養素や医薬品と相互作用を起こす可能性があり、場合によっては薬の効果を減弱させたり、副作用を強めたりすることがあります。特に鉄剤や抗凝固薬を服用している方は注意が必要です。定期的に薬を飲んでいる方は、カテキンを含むサプリメントや大量の緑茶を摂取する前に、医療機関で相談することが大切です。ここでは、注意すべき組み合わせについて解説します。
プロフィールをもっと見る
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
カテキンと避けるべき栄養素や薬の組み合わせ
カテキンは特定の栄養素や医薬品と相互作用を起こす可能性があるため、組み合わせには注意が必要です。
鉄剤との相互作用
カテキンは鉄と結合しやすく、鉄の吸収を阻害する性質があります。貧血の治療で鉄剤を服用している方が、鉄剤と同時に大量の緑茶を飲むと、鉄の吸収率が低下し、治療効果が十分に得られない可能性があります。
鉄剤を服用する際は、緑茶ではなく水やぬるま湯で飲むことが推奨されます。また、食事からの鉄吸収を高めるためには、食事中の緑茶摂取を控えめにし、食後1から2時間程度空けてから緑茶を飲むとよいでしょう。
特に植物性食品に含まれる非ヘム鉄は吸収されにくいため、ビタミンCを一緒に摂ると吸収が促進されます。貧血の傾向がある方は、緑茶の摂取タイミングや量について、医療機関で相談することをおすすめします。
抗凝固薬や興奮性薬剤との注意点
カテキンを含む緑茶にはビタミンKも含まれているため、ワルファリンなどのビタミンK拮抗型抗凝固薬を服用している方は注意が必要です。大量の緑茶摂取により、薬の効果が減弱する可能性があります。
また、緑茶にはカフェインも含まれているため、気管支拡張薬や一部の抗うつ薬など、カフェインと相互作用を起こす薬を服用している場合、副作用が強く現れることがあります。動悸や不眠、神経過敏などの症状が現れた場合は、緑茶の摂取を控えるか、医師に相談することが大切です。
高濃度のカテキンサプリメントは、通常の緑茶よりも相互作用のリスクが高い可能性があるため、定期的に薬を服用している方は、サプリメント使用前に必ず医療従事者に確認してください。
まとめ
カテキンは私たちの健康をさまざまな側面からサポートする有用な成分です。抗酸化作用や脂質代謝の改善、血糖値や血圧の調節など、多様な効果が研究で示されています。日常的に緑茶を飲む習慣は、これらの恩恵を受ける手軽な方法といえるでしょう。
ただし、過剰摂取による肝機能障害や鉄吸収阻害といったリスクもあるため、適量を守ることが大切です。1日に緑茶を3から5杯程度飲む分には問題ありませんが、サプリメントを利用する場合は特に注意が必要です。
他の栄養素や薬との相互作用にも注意し、必要に応じて医療機関に相談しながら取り入れてください。鉄剤を服用している方や抗凝固薬を使用している方は、摂取タイミングを調整することで相互作用のリスクを減らせます。
カテキンはビタミンCや食物繊維と組み合わせることで、相乗効果が期待できます。緑茶と果物や野菜を一緒に摂取する習慣は、栄養面でも理にかなった方法といえます。
緑茶を中心としたカテキンの摂取を日常の習慣とし、バランスの取れた食事や適度な運動と組み合わせることで、健康的な生活の一助としていただければ幸いです。特定の成分に過度に依存するのではなく、総合的な生活習慣の改善を心がけることが、長期的な健康維持には最も重要です。