カテキンは健康に良い成分として知られていますが、どのような栄養素も適量を守ることが大切です。特に高濃度のカテキンを含むサプリメントを大量に摂取した場合、肝機能障害や鉄吸収の阻害といった健康被害が報告されています。ここでは、カテキンの過剰摂取により生じる可能性のあるリスクについて、具体的な症状や注意すべきポイントを詳しく見ていきましょう。
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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
カテキンの過剰摂取による健康リスク
カテキンは健康に良い成分として知られていますが、過剰に摂取すると健康被害が生じる可能性があるため注意が必要です。
肝機能への影響
カテキンの過剰摂取により、肝機能障害が報告されるケースがあります。特に高濃度のカテキン抽出物を含むサプリメントを空腹時に大量摂取した場合、肝臓に負担がかかることがあります。
肝細胞が障害を受けると、血液検査でAST(GOT)やALT(GPT)といった肝酵素の数値が上昇し、倦怠感や食欲不振、黄疸などの症状が現れることがあります。一般的な量（1日3〜5杯程度）の緑茶摂取では健康被害の報告はほとんどありません。カテキンを高濃度で含むサプリメントを利用する際は、用法用量を守り、空腹時を避けて摂取することが推奨されます。
肝疾患の既往がある方や、定期的に薬を服用している方は、サプリメント摂取前に医師に相談することが重要です。また、サプリメントを摂取中に体調の変化を感じた場合は、直ちに使用を中止し、医療機関を受診してください。
鉄吸収の阻害と消化器症状
カテキンは鉄と結合しやすい性質を持ち、食事中の鉄の吸収を妨げることがあります。特に植物性食品に含まれる非ヘム鉄は、カテキンの影響を受けやすいため、食事と一緒に大量の緑茶を飲むと鉄の吸収率が低下する可能性があります。
貧血傾向がある方や、鉄剤を服用している方は注意が必要です。また、カテキンの過剰摂取により、胃の不快感や吐き気、下痢といった消化器症状が現れることもあります。
カフェインを含む緑茶を大量に飲むと、カテキンだけでなくカフェインの影響(不眠、動悸、頻尿など)も加わるため、総合的に摂取量を管理することが大切です。1日に緑茶を3から5杯程度飲む分には問題ありませんが、それ以上の量を習慣的に摂取する場合や、サプリメントを併用する場合は、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
カテキンは私たちの健康をさまざまな側面からサポートする有用な成分です。抗酸化作用や脂質代謝の改善、血糖値や血圧の調節など、多様な効果が研究で示されています。日常的に緑茶を飲む習慣は、これらの恩恵を受ける手軽な方法といえるでしょう。
ただし、過剰摂取による肝機能障害や鉄吸収阻害といったリスクもあるため、適量を守ることが大切です。1日に緑茶を3から5杯程度飲む分には問題ありませんが、サプリメントを利用する場合は特に注意が必要です。
他の栄養素や薬との相互作用にも注意し、必要に応じて医療機関に相談しながら取り入れてください。鉄剤を服用している方や抗凝固薬を使用している方は、摂取タイミングを調整することで相互作用のリスクを減らせます。
カテキンはビタミンCや食物繊維と組み合わせることで、相乗効果が期待できます。緑茶と果物や野菜を一緒に摂取する習慣は、栄養面でも理にかなった方法といえます。
緑茶を中心としたカテキンの摂取を日常の習慣とし、バランスの取れた食事や適度な運動と組み合わせることで、健康的な生活の一助としていただければ幸いです。特定の成分に過度に依存するのではなく、総合的な生活習慣の改善を心がけることが、長期的な健康維持には最も重要です。
