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緑茶から「カテキンを効率的に摂取する」にはお湯は何度が良い?【管理栄養士監修】

 公開日:2025/11/23
カテキンを効率的に摂取する方法

カテキンを多く含む食品を選ぶだけでなく、調理法や抽出方法を工夫することでカテキンの摂取効率を高められます。緑茶の淹れ方一つとっても、お湯の温度や抽出時間によってカテキンの溶出量は変わってきます。また、毎日の生活に無理なく取り入れるための習慣化の工夫も大切です。ここでは、カテキンを効率的に摂取するための具体的な方法について解説していきます。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

カテキンを効率的に摂取する方法

カテキンを多く含む食品を選ぶだけでなく、調理法や抽出方法を工夫することで、カテキンの摂取効率を高められます。 カテキンを日常的に摂取するためには、無理のない方法で習慣化することが重要であり、ライフスタイルに合わせた工夫が有効です。

緑茶の淹れ方とカテキン抽出

緑茶からカテキンを効率よく抽出するには、お湯の温度と抽出時間が重要です。カテキンは高温で抽出されやすいため、80から90度程度の熱いお湯で淹れると、多くのカテキンが溶け出します。抽出時間は1から2分程度が目安で、長く置きすぎると渋みが強くなります。 一方、カフェインを抑えたい場合は、60から70度程度のぬるめのお湯で淹れるとカフェインの抽出が少なくなりますが、カテキンの抽出量もやや減少します。カテキンを最大限に摂取したい場合は、茶葉を粉末状にして丸ごと摂取する方法が効率的です。 抹茶のように粉末茶を飲むことで、水に溶けにくい成分も含めて茶葉の栄養素をすべて取り入れられます。ご自身の目的や好みに応じて、淹れ方を調整することが大切です。

食品の調理法による影響

リンゴやブドウなどのカテキンを含む果物は、生で食べるのが栄養素を保持するのに適しています。加熱するとカテキンが一部分解される可能性があるため、ジャムやコンポートよりも、フレッシュな状態で摂取することが望ましいです。 ただし、加熱により他の栄養素が吸収されやすくなる場合もあるため、バランスを考えることが大切です。また、果物の皮にはカテキンが多く含まれているため、可能であれば皮ごと食べることをおすすめします。 農薬が気になる場合は、よく洗うか、有機栽培の果物を選ぶとよいでしょう。カカオ製品については、カカオ含有率の高いダークチョコレートを選ぶことで、より多くのカテキンを摂取できます。

緑茶を習慣にする工夫

毎日の生活に緑茶を取り入れるには、飲むタイミングを決めておくと習慣化しやすくなります。朝起きたとき、食事の後、仕事や家事の合間など、ご自身のリズムに合わせて緑茶を飲む時間を設けるとよいでしょう。 水筒に緑茶を入れて持ち歩くと、外出先でも手軽に飲めます。また、緑茶をアレンジして楽しむことも継続のコツです。レモンやミントを加えたり、冷やして飲んだりすることで、飽きずに続けられます。 カフェインが気になる方は、午前中に緑茶を飲み、午後はカフェインレスのお茶に切り替えるなど、工夫することで快適に摂取できます。無理なく続けられる方法を見つけることが、長期的な健康維持につながります。

サプリメントの活用と注意点

緑茶を飲む習慣がない方や、手軽にカテキンを摂取したい方には、サプリメントという選択肢もあります。カテキンサプリメントは濃縮された形で提供されるため、少量で効率的に摂取できます。 ただし、サプリメントは食品よりもカテキン濃度が高いため、過剰摂取のリスクがあります。製品の用法用量を必ず守り、空腹時を避けて摂取することが推奨されます。また、サプリメントは食品医薬品局などの認証を受けた信頼できる製品を選ぶことが重要です。 既往症がある方や薬を服用している方は、サプリメント使用前に医師に相談してください。サプリメントはあくまで補助的な手段であり、バランスの取れた食事と健康的な生活習慣が基本となります。

まとめ

カテキンは私たちの健康をさまざまな側面からサポートする有用な成分です。抗酸化作用や脂質代謝の改善、血糖値や血圧の調節など、多様な効果が研究で示されています。日常的に緑茶を飲む習慣は、これらの恩恵を受ける手軽な方法といえるでしょう。 ただし、過剰摂取による肝機能障害や鉄吸収阻害といったリスクもあるため、適量を守ることが大切です。1日に緑茶を3から5杯程度飲む分には問題ありませんが、サプリメントを利用する場合は特に注意が必要です。 他の栄養素や薬との相互作用にも注意し、必要に応じて医療機関に相談しながら取り入れてください。鉄剤を服用している方や抗凝固薬を使用している方は、摂取タイミングを調整することで相互作用のリスクを減らせます。 カテキンはビタミンCや食物繊維と組み合わせることで、相乗効果が期待できます。緑茶と果物や野菜を一緒に摂取する習慣は、栄養面でも理にかなった方法といえます。 緑茶を中心としたカテキンの摂取を日常の習慣とし、バランスの取れた食事や適度な運動と組み合わせることで、健康的な生活の一助としていただければ幸いです。特定の成分に過度に依存するのではなく、総合的な生活習慣の改善を心がけることが、長期的な健康維持には最も重要です。

この記事の監修管理栄養士

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