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原因不明の「だるい」「痛い」に終止符! 検査で異常なしでも疑うべき『糖尿病』のSOS

 公開日:2025/11/27
原因不明の「だるい」「痛い」に終止符! 検査で異常なしでも疑うべき『糖尿病』のSOS

明確な病名がつかないまま、倦怠感や疲労感、頭痛、めまいなどの体調不良が続くことがあります。このような状態は身体的な疾患だけでなく、心理的要因や生活習慣の問題が複合的に関与していることが少なくありません。本章では慢性疲労症候群や内分泌・代謝の異常など、原因不明の体調不良の背景にある疾患について解説します。適切な評価により症状改善への道が開けます。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

原因不明の体調不良に潜む問題

明確な病名がつかないまま、倦怠感や疲労感、頭痛、めまい、集中力低下などの体調不良が続くことがあります。このような状態は、身体的な疾患だけでなく、心理的要因や生活習慣の問題が複合的に関与していることが少なくありません。 原因不明の体調不良は、本人にとっては大変つらいものですが、周囲からは理解されにくく、社会生活にも支障をきたすことがあります。適切な評価と対応により、症状の改善や生活の質の向上が期待できます。

慢性疲労症候群と類似疾患

慢性疲労症候群は、原因不明の強い疲労が6ヶ月以上続く疾患です。十分な休息をとっても疲労が回復せず、日常生活や社会生活に大きな支障をきたします。微熱、筋肉痛、関節痛、頭痛、睡眠障害、思考力・集中力の低下などの症状を伴うことがあります。症状の組み合わせや程度には個人差があります。 診断には他の疾患の除外が必要で、血液検査や画像検査で異常が見つからないことが前提となります。治療法は確立されていませんが、症状に応じた対症療法や、認知行動療法、段階的運動療法などが試みられています。治療効果には個人差があり、長期的な経過観察が必要とされます。 線維筋痛症も、原因不明の全身性疼痛を主症状とする疾患です。触れるだけで痛みを感じる圧痛点が多数存在し、疲労感や睡眠障害、気分の落ち込みなどを伴います。慢性疲労症候群と症状が重なることも多く鑑別が難しい場合もあるので、診断には専門的な評価が必要です。

内分泌や代謝の異常

甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの分泌が不足することで、倦怠感、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、記憶力低下などの症状が現れます。症状が非特異的であるため、見逃されやすい疾患の一つです。血液検査でTSHや甲状腺ホルモンを測定することで診断できます。 副腎機能低下症も、疲労感や脱力感を主症状とします。副腎皮質ホルモンの分泌が不足することで、低血圧、食欲不振、体重減少、色素沈着などが見られることがあります。重症化すると危険な状態になることもあるため、早期発見が重要とされています。症状の進行速度や重症度には個人差があります。 糖尿病の初期症状として、倦怠感や疲労感が現れることがあります。喉の渇き、多飲、多尿、体重減少などを伴う場合は、血糖値の測定が必要です。また、貧血も倦怠感や疲労感の一般的な原因であり、血液検査で容易に診断できます。

まとめ

原因不明の足の痛み、発熱、腹痛、青あざ、体調不良など、身体が発するさまざまなサインには、それぞれに多様な原因が潜んでいる可能性があります。これらの症状は日常的によく経験するものですが、長期間続く場合や生活に支障をきたす場合は、専門的な評価が必要です。自己判断で対処するのではなく、適切なタイミングで医療機関を受診し、詳しい検査と診断を受けることが、根本的な解決への第一歩です。 原因不明の症状に対しては焦らず段階的に対応していくことが重要で、医療機関での適切な評価と治療、そして自身でのセルフケアを組み合わせることで、症状の改善と生活の質の向上を目指しましょう。

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