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「原因不明の腹痛」を解決! 診断を早める『痛みの伝え方』と病院での検査の全流れ

 公開日:2025/11/29
「原因不明の腹痛」を解決! 診断を早める『痛みの伝え方』と病院での検査の全流れ

原因不明の腹痛に対しては、詳細な問診と身体診察が診断の出発点となります。痛みの記録と観察が診断の重要な手がかりとなるため、症状を整理して医師に伝えることが大切です。本章では腹痛の評価方法と、医療機関で行われる検査の流れについて説明します。身体診察や血液検査、画像検査を組み合わせることで、より正確な診断が可能になります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

腹痛の評価と診断プロセス

原因不明の腹痛に対しては、詳細な問診と身体診察が診断の出発点となります。痛みの部位、性質、開始時期、変化のパターン、悪化・軽減因子などを整理することが重要です。

腹痛の記録と観察ポイント

痛みの部位は右上、左上、右下、左下、臍周囲、みぞおちなど、できるだけ具体的に示すことが診断に役立ちます。痛みの性質は、刺すような痛み、鈍い痛み、締め付けられるような痛み、波打つような痛みなど、自分なりの表現で構いませんので記録しておきましょう。 痛みと食事の関係も重要な情報です。食後に痛みが強くなる、空腹時に痛む、特定の食品で悪化するなど、パターンがあれば記録しておいてください。また、排便や排尿との関連、月経周期との関連なども診断の手がかりになります。これらの情報により、原因臓器や疾患の絞り込みが可能になることがあります。 随伴症状として、発熱、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、血便、体重減少、食欲不振などがあれば、それらも併せて医師に伝えましょう。

検査の流れと診断

身体診察では、腹部の触診によって痛みの部位や圧痛、筋性防御、反跳痛などを評価します。聴診器で腸の動きを確認することもあります。必要に応じて直腸診が行われることもあります。身体所見は画像検査や血液検査と組み合わせて総合的に判断されます。 血液検査では、炎症反応、肝機能、腎機能、膵酵素、貧血の有無などを調べます。尿検査や便検査も、泌尿器系疾患や消化器系疾患の診断に有用です。女性の場合は妊娠反応検査が行われることもあります。検査結果は症状や身体所見と照らし合わせて解釈されます。 画像検査としては、腹部超音波検査、腹部レントゲン検査、CT検査などが実施されます。超音波検査は非侵襲的で繰り返し行えるため、胆石や肝臓、腎臓、婦人科臓器の評価に適しています。CT検査はより詳細な情報が得られ、虫垂炎や腸閉塞、腫瘍などの診断に有用です。内視鏡検査が必要になる場合もあります。検査の選択は症状の緊急性や疑われる疾患によって決定されます。

まとめ

原因不明の足の痛み、発熱、腹痛、青あざ、体調不良など、身体が発するさまざまなサインには、それぞれに多様な原因が潜んでいる可能性があります。これらの症状は日常的によく経験するものですが、長期間続く場合や生活に支障をきたす場合は、専門的な評価が必要です。自己判断で対処するのではなく、適切なタイミングで医療機関を受診し、詳しい検査と診断を受けることが、根本的な解決への第一歩です。 原因不明の症状に対しては焦らず段階的に対応していくことが重要で、医療機関での適切な評価と治療、そして自身でのセルフケアを組み合わせることで、症状の改善と生活の質の向上を目指しましょう。

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