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6mm超は要注意!ほくろ切除の種類と選び方|悪性を見逃さない検査とは

 公開日:2025/12/17
ほくろの大きさと治療の必要性

ほくろの大きさ自体は必ずしも悪性度と直結しませんが、直径が6mmを超える場合はメラノーマの可能性を考慮して形状や色調を総合的に評価します。先天性の巨大色素性母斑や日常生活に支障をきたすほくろでは、切除を検討することもあります。切除方法にはメスによる切除縫合・くり抜き法・レーザー治療などがあり、悪性が疑われる場合は組織検査が可能な方法を選択します。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

ほくろの大きさと治療の必要性

ほくろの大きさ自体は必ずしも悪性度と直結しませんが、大きなほくろは悪性転化のリスクがやや高いとされます。直径が6mmを超える場合はメラノーマの可能性を考慮し、形状や色調、経時的変化を総合的に評価します。

先天性の巨大色素性母斑は数十センチに及ぶこともあり、生涯にわたる経過観察や段階的な切除が検討されます。美容的な理由や衣服による摩擦、髭剃りでの刺激などで日常生活に支障がある場合も、切除を選択することがあります。ほくろの切除は保険適用となる場合と自由診療となる場合があり、悪性が疑われる場合や機能的障害がある場合は保険適用となります。純粋に美容目的の場合は自由診療となることが一般的です。

ほくろ切除の方法と術後経過

ほくろの切除方法には、メスによる切除縫合、くり抜き法、レーザー治療などがあります。メスによる切除縫合は病変を完全に取り除き、組織検査に提出できるため、悪性が疑われる場合に選択されます。切除後は周囲の皮膚を寄せて縫合し、1から2週間後に抜糸を行います。傷跡は時間とともに目立たなくなりますが、部位や体質により瘢痕が残ることもあります。

くり抜き法は小さなほくろに適しており、円筒形にくり抜いて自然治癒させるか、縫合します。レーザー治療は隆起の少ない平坦なほくろに用いられ、炭酸ガスレーザーやQスイッチレーザーで色素を破壊します。レーザー治療は傷跡が目立ちにくい利点がありますが、深部まで除去できず再発する可能性や、組織検査ができない欠点があります。悪性が疑われる場合はレーザー治療は推奨されません。

切除後の注意点と再発

切除後は傷口を清潔に保ち、医師の指示に従って軟膏を塗布し、保護テープで覆います。抜糸までは激しい運動や入浴を控え、傷口に過度な負担をかけないよう注意します。紫外線は瘢痕を色素沈着させる原因となるため、術後数ヶ月は日焼け止めの使用や遮光テープの貼付が推奨されます。

切除が不完全な場合や、良性と判断されたものの一部にメラノーマが存在した場合、再発や残存病変が問題となります。このため切除標本は必ず病理組織検査に提出し、切除断端に病変が残っていないか確認することが重要です。悪性と診断された場合は、追加切除や全身検索が必要となります。

まとめ

ほくろは日常的に目にする皮膚病変ですが、時に悪性黒色腫であることがあります。形状の非対称性、辺縁の不整、色調の不均一、直径の増大、経時的変化といった特徴を持つ場合は、早期に皮膚科を受診することが重要です。

メラノーマは早期発見により治療の選択肢が広がり、予後の改善が期待できます。日常的な皮膚の観察を習慣化し、異常があれば自己判断せずに専門医の診察を受けることが大切です。

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