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6ミリ以上の大きさや色ムラに注意!普通のほくろと皮膚がんの違いを見分けるチェック法

 公開日:2025/12/10
ほくろとがんの関係

ほくろは多くの方の身体に見られる色素斑ですが、その中には悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんが潜んでいる場合があります。通常のほくろとメラノーマを見分けるためには、形状や色調、大きさといった特徴的な違いを理解しておくことが大切です。日本人の場合、足底や爪など摩擦を受けやすい部位に発生しやすい傾向があるため、日頃から注意深い観察を心がけましょう。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

ほくろとがんの関係

ほくろの多くは良性腫瘍であり、がんとは異なる性質を持ちます。生涯を通じて新たに出現したり既存のものが変化したりすることは珍しくありません。しかし、ほくろに似た外観を呈しながら悪性黒色腫と呼ばれる皮膚がんであるケースも存在するため、適切な知識と観察が重要です。

母斑細胞と呼ばれる色素細胞が局所的に増殖したものが一般的なほくろです。一方、メラノーマは色素を作るメラノサイトから発生し、進行すると他臓器へ転移するリスクが高まる悪性腫瘍です。日本人のメラノーマ発症率は欧米と比較すると低いものの、早期発見が予後に直結するため注意深い観察が求められます。

特に足底や爪、手のひらなど摩擦や圧力が集中しやすい部位に生じるメラノーマは、日本人に比較的多い傾向があります。ほくろががん化するというよりも、最初からメラノーマとして発生する場合が大半ですが、既存のほくろが悪性転化するケースも稀に報告されています。

良性ほくろと悪性メラノーマの違い

良性のほくろは形状が左右対称で境界が明瞭、色調が均一であることが多く、大きさは通常6mm未満です。表面は滑らかで隆起していても均等な盛り上がりを示します。これらの特徴は時間が経過してもほとんど変化せず、安定した状態を保ちます。

一方、メラノーマは非対称な形状を呈し、辺縁が不規則でギザギザしていることが特徴です。色調も一定ではなく、黒褐色から赤褐色、青黒い部分が混在する場合があります。直径が6mmを超える場合や短期間で急速に拡大する場合は、メラノーマを疑う根拠となります。

表面が潰瘍化してじくじくと滲出液が出る、出血を繰り返す、硬さが増して周囲との境界が不明瞭になるといった変化も警戒すべきサインです。ほくろの周辺に小さな黒い点が出現する現象は衛星病変と呼ばれ、メラノーマに特有の所見として知られています。これらの変化に気づいた場合は、速やかに皮膚科を受診することが推奨されます。

まとめ

★まとめ文★

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