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【過剰摂取に注意】食物繊維の目安量と体に負担をかけない摂取のコツ

 公開日:2025/11/29
【過剰摂取に注意】食物繊維の目安量と体に負担をかけない摂取のコツ

体に良いとされる食物繊維も、摂取量や方法を誤ると逆効果になることがあります。過不足を防ぎ、効果的に取り入れるためには、正しい知識が欠かせません。ここでは、理想的な摂取量と注意すべきポイントを解説します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

食物繊維の適切な摂取量と注意点

食物繊維は健康に有益な栄養素ですが、摂取量や摂取方法には注意が必要です。過不足なく適切に摂取することで、その効果を引き出すことができます。

推奨摂取量と現状の摂取量

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、成人の食物繊維摂取目標量は1日あたり男性21g以上、女性18g以上とされています。しかし、実際の平均摂取量はこれを下回っており、多くの方が食物繊維不足の状態にあります。特に若年層や外食が多い方では、摂取量が不足しがちです。 サラダを食事に取り入れることは、この不足を補う有効な手段となります。例えば、レタス100gには約1.1gの食物繊維が含まれており、複数の野菜を組み合わせたサラダを毎食摂取することで、目標量に近づけることができます。ただし、サラダだけで必要量を満たすのは難しいため、穀物や豆類、きのこ類など他の食品と組み合わせることが重要です。また、年齢や性別、活動量によって必要な摂取量は変動するため、個々の状況に応じた調整が求められます。

過剰摂取のリスクと調整方法

食物繊維は健康に良い栄養素ですが、急激に摂取量を増やすと、腹部膨満感やガスの発生、下痢などの消化器症状を引き起こすことがあります。特に普段食物繊維の摂取が少ない方が、突然大量に摂取すると腸が対応できず、不快な症状が現れることがあります。食物繊維の摂取量は、徐々に増やしていくことが推奨されます。 また、過剰な食物繊維摂取は、ミネラルの吸収を阻害する可能性があります。食物繊維が腸内でミネラルと結合し、排泄されてしまうためです。特に鉄や亜鉛、カルシウムなどの吸収に影響を与えることがあるため、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。水分摂取も重要であり、食物繊維を多く摂る際には、十分な水分を一緒に摂取することで、腸内での働きを円滑にし、便秘の予防にもつながります。腸疾患や消化器系の持病がある方は、食物繊維の摂取量について医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。

まとめ

サラダは、ビタミンや食物繊維を豊富に含み、血糖値のコントロールや減塩生活の実践に役立つ重要な食事です。多様な野菜を組み合わせることで、バランスよく栄養素を摂取でき、免疫機能の向上や腸内環境の改善、生活習慣病の予防につながります。食前にサラダを摂取する習慣や、ドレッシングの選び方を工夫することで、その効果をさらに高めることができます。 ただし、サラダの効果には個人差があり、年齢や基礎疾患の有無、生活環境によっても異なります。食物繊維の摂取量は徐々に増やし、水分も十分に摂ることが大切です。また、サラダだけで健康が維持できるわけではなく、適度な運動や十分な睡眠、ストレス管理などの総合的な生活習慣の改善が必要です。 日常的にサラダを取り入れ、健康的な食生活を実践しましょう。気になる症状や健康管理については、医療機関や管理栄養士に相談することをおすすめします。個々の健康状態に合わせた適切な食事療法を受けることで、より効果的な健康管理が可能になります。

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