「むくみの悪化」を止める! 医師が推奨する“塩分リセット習慣”とは
公開日:2025/11/21

むくみの症状を軽減し、再発を防ぐためには、日常的な塩分管理が不可欠です。食事内容の見直しと生活習慣の改善を組み合わせることで、効果的な対策が可能となります。ここでは、食品に含まれる塩分量の把握方法から、調味料の工夫、外食時の注意点まで実践的な方法を紹介します。カリウム摂取との関係や適切な水分管理についても触れ、無理なく続けられる塩分コントロールの方法を解説します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
むくみを予防・改善するための塩分管理
むくみの症状を軽減し、再発を防ぐためには、日常的な塩分管理が不可欠です。食事内容の見直しと生活習慣の改善を組み合わせることで、効果的な対策が可能となります。食事による塩分コントロールの実践
塩分を減らすための第一歩は、食品に含まれる塩分量を正確に把握することです。加工食品には栄養成分表示が義務付けられているため、ナトリウム量または食塩相当量を確認する習慣をつけましょう。ナトリウム量が表示されている場合は、その数値に2.54を掛けることで食塩相当量に換算できます。 調味料の使用量を減らすことも重要です。醤油やソースは小皿に取り分けてつけるようにし、直接かけることは避けましょう。出汁を効かせたり、酢や柑橘類の酸味、香辛料やハーブの風味を活用することで、塩分を減らしても満足感のある味付けが可能になります。 外食時には、麺類の汁を残す、定食の漬物を控える、ドレッシングを別添えにしてもらうなどの工夫が有効です。コンビニエンスストアの弁当や惣菜を選ぶ際にも、栄養成分表示を確認し、食塩相当量の少ないものを選ぶよう心がけましょう。こうした小さな積み重ねが、長期的な健康維持につながります。カリウム摂取とむくみ解消の関係
カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きを持つミネラルであり、むくみの改善に役立つ可能性があります。野菜や果物、海藻類に豊富に含まれており、バランスの取れた食事を心がけることで自然とカリウム摂取量を増やすことができます。 特にバナナ、アボカド、ほうれん草、じゃがいも、トマトなどはカリウム含有量が多く、日常的に取り入れやすい食材です。ただし、腎機能が低下している方では、カリウムの過剰摂取が高カリウム血症を引き起こす危険性があるため、医師の指導のもとで適切な摂取量を守る必要があります。 水分摂取量も適切に管理することが大切です。塩分を控えていても水分を極端に制限すると、かえって身体が水分を保持しようとしてむくみが悪化することがあります。1日あたり1.5〜2リットル程度を目安に、こまめに水分を摂るようにしましょう。まとめ
塩分摂取と健康リスクの関係性について、摂取量の目安から、むくみ・高血圧・腎臓病・脳梗塞といった具体的な疾患との関連まで解説しました。日本人の平均塩分摂取量は目標値を大きく上回っており、これが循環器疾患や腎疾患の発症リスクを高める要因の一つとなっています。適切な減塩は、これらの疾患の予防と進行抑制に効果をもたらす可能性があります。日常生活での工夫を積み重ね、継続的に実践することが重要です。段階的な減塩、調味料の工夫、加工食品の選択、家庭血圧の測定など、できることから始めましょう。 症状や不安がある方、既に疾患をお持ちの方は、早めに専門医療機関を受診し、個別の状況に応じた指導を受けることをおすすめします。医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った塩分管理の方法を見つけることが、長期的な健康維持への第一歩となります。参考文献