痛風より怖い! 「高尿酸値」がもたらす心筋梗塞リスクとは

高尿酸血症がもたらす合併症のリスク

尿酸値が高い状態が続くと、痛風だけでなく、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。腎臓や心血管系への影響など、全身的な健康リスクについて理解しておくことが重要です。

腎臓への影響と尿路結石

高尿酸血症が長期間続くと、腎臓に負担がかかります。尿酸の結晶が腎臓に沈着することで、腎機能が徐々に低下し、慢性腎臓病を引き起こすことがあります。また、尿酸が尿路で結晶化することで、尿路結石が形成されることもあります。尿路結石は、激しい腹痛や腰痛、血尿などの症状を伴い、日常生活に大きな支障をきたします。尿酸値が高い方は、定期的に腎機能の検査を受けることが推奨されます。尿検査や血液検査によって、腎臓の状態や尿酸の排出能力を確認できます。早期に異常を発見し、適切な治療を行うことで、腎臓の機能を保つことができます。水分を十分に摂取し、尿量を増やすことで、尿酸の排出を促し、結石の形成を予防することも重要です。

心血管疾患との関連

近年の研究では、高尿酸血症が心血管疾患のリスクを高めることが指摘されています。尿酸値が高いと、血管の内皮機能が低下し、動脈硬化が進行しやすくなります。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患の原因となります。また、高尿酸血症は高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病とも関連があり、これらが重なることで、心血管疾患のリスクがさらに高まります。尿酸値が高い方は、血圧や血糖値、コレステロール値なども併せて管理することが大切です。定期的に健康診断を受け、総合的な健康状態をチェックすることで、リスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。生活習慣の改善に加えて、必要に応じて薬物療法を行うことで、心血管疾患の予防につなげることができます。