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治まっても油断できない! 「痛風」を慢性化させないための検査の重要性とは

 公開日:2025/11/12
痛風と尿酸値の関係

痛風は尿酸値の上昇によって関節に尿酸結晶が沈着し、突然の激痛を引き起こす疾患です。発作のメカニズムや発症に至る過程を正しく理解することが、早期対策の第一歩となります。本章では、痛風と尿酸値の密接な関係を解説しながら、発症リスクを大きく軽減するための予防法や生活習慣の改善ポイントについて詳しくお伝えします。

浅川 貴介

監修医師
浅川 貴介(医師)

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【経歴】
2004年 私立海城高等学校卒業
2010年 私立東邦大学医学部卒業 医師免許取得
2012年 公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年 東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
2018年 医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年 浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医

痛風と尿酸値の関係

痛風は、尿酸値が高い状態が続くことで引き起こされる疾患です。尿酸が関節に蓄積し、結晶化することで激しい痛みや腫れを伴う炎症が生じます。痛風の発症メカニズムや症状について理解することは、予防や早期対応につながります。

痛風の発症メカニズムと症状

痛風は、血液中の尿酸濃度が高い状態(高尿酸血症)が長期間続くことで発症します。尿酸値が7.0mg/dLを超えると、尿酸が結晶化しやすくなり、関節や周囲の組織に沈着します。特に足の親指の付け根に結晶が溜まりやすく、突然の激しい痛みと腫れが生じます。これを痛風発作と呼びます。痛風発作は、夜間や早朝に突然始まることが多く、数日から一週間程度続くことがあります。発作が治まった後も、尿酸値が高い状態が続くと、再び発作が起こる可能性があります。放置すると、発作の頻度が増え、慢性化することもあります。また、腎臓に尿酸の結晶が溜まることで、腎機能の低下や尿路結石を引き起こすこともあります。痛風は男性に多く見られ、特に中年以降に発症しやすい傾向があります。

痛風を予防するための生活習慣

痛風を予防するためには、尿酸値を適正範囲に保つことが最も重要です。そのためには、プリン体の多い食品を控え、水分を十分に摂取することが基本となります。アルコールの摂取量を減らし、特にビールを避けることも効果的です。適正体重を維持し、肥満を解消することで、尿酸値の上昇を抑えることができます。適度な運動を習慣にすることも、体重管理や代謝の改善に役立ちます。ストレスを溜めず、十分な睡眠を取ることも大切です。また、定期的に健康診断を受け、尿酸値をチェックすることで、早期に異常を発見できます。尿酸値が高い場合には、医療機関を受診し、医師の指導のもとで食事療法や薬物療法を行うことが推奨されます。早期に対処することで、痛風発作を予防し、将来的な合併症のリスクを減らすことができます。

まとめ

尿酸値の管理は、食事の見直しと生活習慣の改善を基本とし、必要に応じて医療機関のサポートを受けることで、効果的に行うことができます。プリン体の多い食品を控え、水分を十分に摂取し、適正体重を維持することが重要です。痛風や合併症のリスクを減らすためには、定期的な検査で尿酸値をチェックし、早期に対処することが大切です。自分の健康状態を把握し、専門家と相談しながら、長期的に取り組んでいきましょう。

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