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「悪性リンパ腫の見逃しやすい初期症状」は何かご存じですか?早期発見のポイントを解説!

 公開日:2025/11/27
「悪性リンパ腫」の見逃しやすい初期症状は何かご存じですか?早期発見のポイントを解説!

リンパ節の腫れやB症状以外にも、悪性リンパ腫には日常生活で気づきにくい初期のサインが存在します。原因不明の疲労感や皮膚の痒みなど、一見すると別の疾患と思われがちな症状も、実は悪性リンパ腫の初期兆候である可能性があります。これらの見逃しやすい症状について理解を深め、早期発見につなげるための知識を身につけていきましょう。

明星 智洋

監修医師
明星 智洋(江戸川病院)

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熊本大学医学部卒業。岡山大学病院にて研修後、呉共済病院や虎の門病院、がん研有明病院などで経験を積む。
現在は江戸川病院腫瘍血液内科部長・東京がん免疫治療センター長・プレシジョンメディスンセンター長を兼任。血液疾患全般、がんの化学療法全般の最前線で先進的治療を行っている。朝日放送「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」などテレビ出演や医学監修多数。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医、日本血液学会血液専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本内科学会認定内科医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

見逃しやすい初期症状と注意すべきポイント

悪性リンパ腫の初期症状には、リンパ節の腫れやB症状以外にも、日常生活で気づきにくいサインがあります。これらを理解することで、早期発見につながる可能性があります。

疲労感と倦怠感の持続

悪性リンパ腫では、病気の進行に伴って原因不明の強い疲労感や倦怠感がみられることがあります。十分に休んでも回復せず、日常生活に支障をきたすほどの疲れが続く場合は注意が必要です。こうした症状は、がん細胞の増殖に伴う代謝異常や貧血、サイトカインの影響によるものと考えられています。
多くの患者さんは、「近頃疲れやすくなった」「朝起きても疲れが取れない」「以前は問題なくできていた作業が辛く感じる」といった症状を訴えます。しかし、これらの症状は現代社会において多くの方が経験する一般的な症状でもあるため、悪性リンパ腫との関連が見過ごされがちです。
重要なのは、症状の持続期間と程度です。2週間以上にわたって改善しない疲労感がある場合には、血液検査を含む医療機関での評価が必要となります。また、倦怠感に加えて微熱や食欲不振などが伴う場合には、より注意が必要です。

皮膚症状と掻痒感

悪性リンパ腫では、原因不明の皮膚の痒みが初期症状として現れることがあります。この掻痒感は、特定の部位に限局せず全身に及ぶことが多く、通常の皮膚疾患とは異なり抗ヒスタミン薬などの一般的な治療に反応しにくいという特徴があります。
掻痒感の原因は完全には解明されていませんが、がん細胞から放出される物質や免疫系の異常な反応が関与していると考えられています。皮膚の発疹や紅斑を伴わない痒みが数週間以上続く場合には、血液疾患の可能性も考慮する必要があります。また、まれに悪性リンパ腫の病変が皮膚に直接浸潤し、結節や斑を形成することもあります。

まとめ

悪性リンパ腫は、早期発見と適切な治療により、長期的な寛解(症状が落ち着いた状態)が得られる方も増えています。初期症状を見逃さず、専門医による正確な診断と病期評価を受けることが重要です。治療後は晩期合併症に注意しながら、定期的なフォローアップと健康的な生活習慣により、質の高い人生を送ることが可能です。気になる症状がある場合には、早めに血液内科や腫瘍内科を受診することが大切です。

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