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「大動脈解離の再発を防ぐ」にはどうすればいい? 治療後に“必ず守るべき”管理ポイントとは【医師監修】

 公開日:2025/11/24

大動脈解離の治療後は、再発を防ぐために生涯にわたる厳格な医学的管理が求められます。血圧コントロールを中心とした薬物療法と、定期的な画像検査による監視が再発予防の柱となります。また、日常生活における注意点を守り、血管への負担を少なくする生活習慣を維持することも欠かせません。ここでは、再発予防のための具体的な管理方法について詳しく説明します。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

大動脈解離の再発を防ぐための管理

大動脈解離の治療後は、再発リスクを少なくするために、厳格な医学的管理と生活習慣の見直しが求められます。

厳格な血圧管理と薬物療法

大動脈解離後の再発予防において重要なのは厳格な血圧管理です。目標血圧は、一般的に収縮期血圧120mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満とされ、これを維持するために複数の降圧薬が使用されます。ベータ遮断薬は心拍数と血圧の両方を低下させ、大動脈壁にかかる負荷を軽減するため、第一選択薬として用いられます。

カルシウム拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬なども併用されます。薬物療法は個々の患者さんの状態に応じて調整され、血圧が目標範囲内に安定するまで用量が検討されます。患者さんご自身も、家庭での血圧測定を習慣化し、毎日の血圧変動を記録することで、治療効果を確認し、医師との情報共有に役立てることができます。

定期的な画像検査と生活指導

治療後の定期的な画像検査は、再発や大動脈瘤の進展を早期に発見するために不可欠です。初回治療後は3ヶ月から6ヶ月ごと、その後安定していれば1年ごとに胸部CTや造影CTを実施し、大動脈径の変化や新たな解離の有無を評価します。大動脈径が急速に拡大している場合や、一定の閾値を超えた場合には、予防的な手術が検討されます。

生活指導も重要な要素です。重量物の持ち上げや激しい運動は避け、日常生活での急激な血圧上昇を防ぎます。喫煙は絶対に避けるべきであり、飲酒も控えめにします。ストレス管理のために、適度な有酸素運動やリラクゼーション法を取り入れることが推奨されます。また、風邪や感染症による咳や発熱も血圧を上昇させるため、予防接種や早期治療が勧められます。

まとめ

大動脈解離は、突然発症し致命的な経過をたどる可能性のある緊急性の高い血管疾患です。激烈な胸背部痛という特徴的な症状を理解し、前兆のサインを見逃さないこと、高血圧や動脈硬化といった原因因子を適切に管理すること、そして急死のリスクと再発の可能性を認識したうえで治療後も継続的に経過を観察することが、生命予後を改善するために極めて重要です。

本記事で解説したように、大動脈解離は発症後の時間経過が予後を大きく左右するため、突然の激しい痛みが生じた際には直ちに救急車を要請することが必要です。また、リスク因子をお持ちの方は、定期的な循環器内科の受診と、日常的な血圧管理を心がけてください。治療後も長期にわたる厳格な血圧コントロールと定期的な画像検査による監視が、再発予防のために不可欠です。

この病態についての正確な知識を持つことで、ご自身やご家族の健康を守る一助となれば幸いです。気になる症状がある場合や、リスク因子について不安がある場合には、専門の医師にご相談されることをお勧めします。

この記事の監修医師

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