「迎え酒」をやめるためにはどんなアプローチが必要?【管理栄養士監修】

迎え酒の習慣から抜け出すためには、具体的な行動計画と適切なサポートが必要です。代替となる対処法を身につけることや、必要に応じて専門的支援を活用することが重要になります。ここでは実践的なアプローチ方法を詳しく紹介します。一人で抱え込まず、適切な支援を求めることで、確実に習慣を変えていくことができるでしょう。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
目次 -INDEX-
迎え酒をやめるための実践的アプローチ
迎え酒の習慣から抜け出すためには、具体的な行動計画と周囲のサポートが重要です。一人で抱え込まず、適切な支援を求めることも大切です。
代替行動の確立
迎え酒の習慣を断つためには、不快な症状に対処する別の方法を身につけることが必要です。まず、前述した水分補給や栄養補給といった正しい対処法を、実際に試してみることから始めましょう。効果が現れるまでに時間はかかりますが、確実に症状は改善していきます。
また、そもそも二日酔いにならないよう、飲酒量をコントロールすることも重要です。厚生労働省が示す節度ある適度な飲酒は、1日平均純アルコール量約20g程度とされています。これはビール中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯に相当します。自分の適量を知り、それを守ることが基本です。
飲酒の際には、空腹状態を避け、食事と一緒にゆっくり飲むことが推奨されます。また、アルコールと同量の水を交互に飲む「チェイサー」を活用することで、アルコールの吸収を穏やかにし、脱水を防ぐことができます。
専門的支援の活用
迎え酒の習慣が既に定着している場合や、自分一人ではやめられないと感じる場合は、専門的な支援を求めることが重要です。内科や消化器内科で肝機能の検査を受け、現在の身体の状態を正確に把握することから始めましょう。
アルコール依存の傾向が見られる場合は、精神科や心療内科、あるいはアルコール専門外来の受診が推奨されます。これらの診療科では、依存症の程度を評価し、個々の状況に応じた治療プランを提案してくれます。カウンセリングや認知行動療法を通じて、飲酒に対する考え方や行動パターンを変えていくことができます。
また、地域の保健所や精神保健福祉センターでも、アルコール問題に関する相談を受け付けています。匿名での相談も可能ですので、まずは電話で問い合わせてみることも一つの方法です。自助グループへの参加も、同じ問題を抱える方々との交流を通じて、回復への意欲を高める効果があります。
まとめ
二日酔いの朝に迎え酒をすると一時的に楽になったように感じられますが、これは症状を根本的に治しているわけではありません。むしろ肝臓が休む間もなくアルコールを分解し続けることになり、ダメージが蓄積しやすくなります。迎え酒で得られる効果は、神経伝達物質の変化や血中アルコール濃度の再上昇による一時的なものに過ぎず、数時間後には症状が再燃します。医学的に正しい対処法は、十分な水分補給、適切な栄養摂取、そして休息です。迎え酒の習慣がある方は、早めに専門医療機関への相談をご検討ください。
参考文献