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「へそ」の異臭は皮膚疾患のサイン? 臭いが消えない時に疑うべき病気とは

 公開日:2025/11/15
臭いが強い場合の対処法と医療機関での治療

日常的なセルフケアを続けても臭いが改善されない場合、背景に感染症や皮膚疾患が隠れている可能性があります。医療機関では専門的な検査によって原因を特定し、症状に応じた適切な治療を提供することができます。特に、膿や浸出液を伴う場合や全身症状がある場合は、早期の受診が重症化を防ぐ鍵となります。ここでは、医師による診断プロセスと、処方される治療薬の種類や使用方法について詳しく説明します。

松澤 宗範

監修医師
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)

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2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会

臭いが強い場合の対処法と医療機関での治療

日常的なケアを行っても臭いが改善しない場合、感染症や皮膚疾患が隠れている可能性があります。医療機関では、培養検査によって原因菌を特定し、適切な薬剤を選択して治療を行います。

医師による診断と検査

皮膚科を受診すると、医師はまずへその状態を視診で確認します。発赤、腫れ、膿の有無、皮膚の状態などを詳しく観察し、炎症や感染の程度を評価します。 必要に応じて、へそから分泌物を採取し、細菌培養検査や真菌検査を行います。培養検査では、どの種類の細菌や真菌が繁殖しているかを特定し、それに対して有効な抗生物質や抗真菌薬を選択することができます。 また、臭いの原因が単なるへそのごまではなく、他の皮膚疾患(湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎など)に起因する場合もあります。これらの鑑別診断を行うため、皮膚の一部を採取して病理検査を行うこともあります。 糖尿病などの基礎疾患がある方は、血糖値のコントロール状態も確認します。高血糖状態では感染症が治りにくく、再発しやすいため、全身状態の管理も治療の一環として重要です。

処方される治療薬と使用方法

細菌感染が確認された場合、医師は抗生物質の外用薬(軟膏やクリーム)を処方します。一般的にはフシジン酸ナトリウムやゲンタマイシン、クリンダマイシンなどが用いられます。これらを1日2回から3回、清潔にしたへその部位に薄く塗布します。 真菌感染の場合は、イミダゾール系やアリルアミン系の抗真菌薬外用剤が選択されます。使用期間は症状により異なりますが、通常は2週間から4週間程度継続します。 炎症が強い場合は、ステロイド外用薬を短期間併用することもあります。ただし、ステロイドは長期使用により皮膚萎縮や感染悪化のリスクがあるため、医師の指示に従って正確な期間と量を守ることが大切です。 感染が深部に及んでいる場合や、全身症状を伴う場合は、経口抗生物質が処方されることもあります。処方された薬は、症状が改善しても自己判断で中止せず、指定された期間は継続して使用しましょう。治療中も、へその清潔保持と乾燥を心がけ、医師の指示に従った自宅でのケアを並行して行うことで、早期の治癒が期待できます。

まとめ

へそのごまは、皮脂、汗、角質などが蓄積した汚れの塊であり、放置すると臭いや炎症の原因となります。安全な除去には、オイルでふやかしてから優しく取り除く方法が推奨されます。無理に引き剥がすと皮膚を傷つけ、痛みや感染を招くため注意が必要です。 へその形状や皮脂分泌量、生活習慣により蓄積しやすさには個人差があります。日常的な入浴時の丁寧な洗浄と乾燥、通気性の良い衣類の選択が予防に有効です。 強い臭いや炎症、除去後の持続する痛みがある場合は、速やかに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。定期的なケアを習慣化することで、へそのごまによるトラブルを未然に防ぎ、清潔で健康的な状態を保つことができます。

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