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赤ちゃんの「むし歯感染の予防法」とは?乳歯生え始め・3歳まで各時期ごとに解説!

 公開日:2025/11/18
赤ちゃんの「むし歯感染の予防法」とは?乳歯生え始め・3歳まで各時期ごとに解説!

赤ちゃんの成長段階に応じて、むし歯予防の方法も変化させる必要があります。乳歯が生え始める前から3歳までの各時期において、適切な対策を講じることが重要です。このセクションでは生後6ヶ月までの準備期と、生後6ヶ月から3歳までの集中期に分けて、それぞれの時期に実践すべき具体的な予防方法を解説します。年齢に応じた適切なアプローチを知り、無理なく継続できる予防習慣を身につけましょう。

柴原 孝彦

監修歯科医師
柴原 孝彦(東京歯科大学名誉教授)

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1979年東京歯科大学卒業、2004年東京歯科大学主任教授、2012年東京歯科大学市川総合病院口腔がんセンター長、2020年東京歯科大学名誉教授。
著書は「口腔顎顔面外科学(医歯薬出版)」「標準口腔外科学(医学書院)」「カラーアトラス コンサイス口腔外科学(学建書院)」「口腔がん検診 どうするの、どう診るの(クインテッセンス出版)」「衛生士のための看護学大意(医歯薬出版)」「かかりつけ歯科医からはじめる口腔がん検診step1/2/3(医歯薬出版)」「エナメル上皮腫の診療ガイドライン(学術社)」「薬剤・ビスフォスフォネート関連顎骨壊死MRONJ・BRONJ(クインテッセンス出版)」「知っておきたい舌がん(扶桑社)」「口腔がんについて患者さんに説明するときに使える本(医歯薬出版)」など。

感染予防の具体的な時期別対策

赤ちゃんの成長段階に応じて、むし歯予防の方法も変化します。乳歯が生え始める前から3歳までの各時期において、適切な対策を講じることが重要です。

生後6ヶ月まで(乳歯萌出前)の準備期

乳歯が生える前の時期は、むし歯予防の準備期間です。この時期にはまだ歯がないため、むし歯になることはありません。しかしこの時期から口腔ケアの習慣づけと、保護者の口腔環境改善を始めることが推奨されます。 授乳後や離乳食後には、清潔なガーゼや脱脂綿を湿らせて、赤ちゃんの歯茎を優しく拭く習慣をつけましょう。これは口腔内を清潔に保つだけでなく、赤ちゃんが口の中を触られることに慣れる効果もあります。将来の歯磨き方法習慣への導入として有効です。 保護者は自身の口腔環境を整える時期でもあります。歯科検診を受け、必要な治療を行い、日常的な口腔ケアを見直しましょう。出産後は育児に追われて自分のケアが後回しになりがちですが、赤ちゃんのために保護者の口腔衛生を保つことが大切です。ただし完璧を目指す必要はなく、無理のない範囲で続けることが重要です。

生後6ヶ月から3歳まで(感染の窓)の集中期

乳歯が生え始める生後6ヶ月から3歳までは、注意が必要な時期です。この時期には歯が次々に生えてくるため、適切な口腔ケアと感染予防対策を並行して行う必要があります。 歯が生えたら、乳児用の柔らかい歯ブラシで1日2回、優しく磨きましょう。当初は水だけで磨き、1歳を過ぎたら年齢に応じたフッ素濃度の歯磨き剤を使用します。仕上げ磨きは保護者が必ず行い、特に奥歯が生えてからは念入りに磨くことが重要です。嫌がる場合は無理をせず、楽しい雰囲気を作る工夫が必要です。 食事の際は個別の食器を使用し、保護者の口をつけたものを与えないようにします。また糖分の摂取頻度と時間帯にも配慮が必要です。甘いものを頻繁に与えると、口腔内が酸性に傾く時間が長くなり、むし歯のリスクが高まります。おやつは時間を決めて与え、だらだら食べを避けましょう。ただし完全な制限は難しいため、バランスを考えた対応が現実的です。

まとめ

赤ちゃんのむし歯予防は、感染経路の理解と日常的な対策の積み重ねによって実践できます。特に1歳半から3歳までの感染の窓と呼ばれる時期に配慮し、食器の共有を避ける、保護者自身の口腔ケアを徹底するなどの対策を講じることが大切です。乳歯の健康は永久歯や全身の発達にも影響する可能性があるため、軽視せず適切なケアを継続しましょう。ただし完璧を目指す必要はなく、できる範囲で無理なく続けることが重要です。不安な点がある場合は、早めに歯科医院を受診し、専門家の指導を受けることをおすすめします。

この記事の監修歯科医師

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