「血液透析」での『内シャント』の作製方法と管理のポイント、注意点を医師が解説
公開日:2025/11/19

血液透析を安全に継続するには、良好な血管アクセスが不可欠です。十分な血液量を確保できるアクセスがあってこそ、効率的な透析治療が実現します。ここでは血液透析で一般的に用いられる内シャントの作製方法と管理のポイント、そして日常生活でシャントを守るための注意点について解説します。適切なケアが長期的な透析を支えます。

監修医師:
浅川 貴介(医師)
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【経歴】
2004年 私立海城高等学校卒業
2010年 私立東邦大学医学部卒業 医師免許取得
2012年 公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年 東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
2018年 医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年 浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医
2004年 私立海城高等学校卒業
2010年 私立東邦大学医学部卒業 医師免許取得
2012年 公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年 東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
2018年 医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年 浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医
血液透析のための血管アクセス
血液透析を行うには、十分な血液量を体外に取り出せる血管アクセスが必要です。適切なアクセス管理は、透析治療を長期的に継続するための基盤となります。血管アクセスの状態が透析の効率や安全性に直接影響するため、日常的なケアが欠かせません。内シャント(動静脈瘻)の作製と管理
血液透析で一般的な血管アクセスは、内シャント(動静脈瘻)です。これは手術により動脈と静脈を吻合し、静脈に動脈の血液を流すことで、静脈を太く強くする方法です。通常、利き腕でない方の前腕に作製され、手術から使用可能になるまで4から6週間程度の成熟期間が必要です。この期間に静脈が十分に発達し、透析に適した状態になります。 シャント管理では、毎日の観察と触診が重要です。シャント部位を指で触れ、「ザーザー」という血流音(スリル)を確認します。音が聞こえない、腕が腫れる、痛みがあるなどの異常がある場合は、シャント閉塞や感染の可能性があるため、速やかに医療機関に連絡します。シャントの状態を日々確認することで、トラブルを早期に発見し、適切な対応が可能になります。シャントを守るための日常的注意点
シャントを長く使用するためには、日常生活での注意が必要です。シャント側の腕で重いものを持つ、きつい衣服や時計を着ける、腕枕をするなどは避けます。血圧測定や採血、点滴もシャント側では行いません。入浴時は、シャント部位を強くこすらず、優しく洗います。これらの注意点を守ることで、シャントの寿命を延ばすことができます。 シャント穿刺後の止血は、適度な圧迫を10から15分程度行います。過度に強く圧迫すると血流が途絶え、シャント閉塞のリスクが高まります。穿刺部位は清潔に保ち、感染兆候(発赤、腫脹、熱感)がないか観察します。シャントは透析患者さんの「命綱」とも言えるため、大切に扱い、異常を感じたら早めに相談することが重要です。日常的なケアと観察により、シャントを良好な状態に保つことができます。まとめ
透析治療は、適切な知識と自己管理により、多くの方が長期的に継続し、充実した日常生活を送っています。血液透析と腹膜透析にはそれぞれの特徴があり、ライフスタイルや身体状態に応じて選択できます。食事療法や水分管理、感染予防などの日常的なケアが、治療効果を高め、合併症を防ぐ鍵となります。体調変化を早期に察知し、医療スタッフと密に連携することで、より安全で快適な透析生活が実現します。疑問や不安がある場合は、遠慮なく専門機関に相談し、適切な支援を受けることが大切です。参考文献