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「透析」になった人が“やらなけらばいけないこと”をご存じですか?【医師監修】

 公開日:2025/11/17
「透析」になった人が“やらなけらばいけないこと”をご存じですか?【医師監修】

透析を受けている方は免疫機能が低下しやすく、感染症にかかりやすい状態にあります。日常的な予防対策と体調の変化を見逃さない観察が健康維持の鍵となります。ここでは感染症を防ぐための基本的な対策と、体調の異変に早期に気づくためのポイントについて解説します。予防を意識した生活習慣が、透析治療の継続を支えます。

浅川 貴介

監修医師
浅川 貴介(医師)

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【経歴】
2004年 私立海城高等学校卒業
2010年 私立東邦大学医学部卒業 医師免許取得
2012年 公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年 東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
2018年 医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年 浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医

透析患者さんの感染症予防と体調管理

透析患者さんは免疫機能が低下しやすく、感染症にかかりやすい状態にあります。日常的な予防対策と体調管理が、健康維持のために不可欠です。感染症は透析治療の継続に影響を及ぼす可能性があるため、予防に重点を置くことが大切です。

感染症予防の基本的な対策

手洗いとうがいは、感染症予防の基本です。外出から帰宅した際、食事の前後、トイレの後などには必ず実施します。透析患者さんは特に、呼吸器感染症や消化器感染症に注意が必要です。人混みを避ける、マスクを着用する、換気を心がけるなどの対策が有効です。日常生活の中で感染リスクを減らす習慣を身につけることが重要です。 ワクチン接種も重要な予防手段です。インフルエンザワクチンは毎年接種が推奨され、肺炎球菌ワクチンも有効性が認められています。また、新型コロナウイルスワクチンについても、医師と相談のうえ接種を検討します。腹膜透析の方は、カテーテル出口部の感染予防が特に重要です。毎日の観察と清潔な処置により、腹膜炎のリスクを低減できます。感染症の兆候が現れた場合は、速やかに医療機関に連絡し、適切な対応を受けることが大切です。

体調変化の早期発見と受診のタイミング

透析患者さんは、体調変化を早期に察知し、適切に対応することが大切です。発熱、咳、息切れ、下痢、嘔吐などの症状が現れた場合は、速やかに透析施設に連絡します。自己判断で市販薬を服用すると、腎臓への負担や薬物相互作用が生じる可能性があるため、必ず医師や薬剤師に相談します。 体重測定は毎日行い、急激な増加や減少がないか確認します。血圧も定期的に測定し、記録をつけることで、循環動態の変化を把握できます。食欲不振、倦怠感、浮腫、息苦しさなどの症状が続く場合は、透析条件の調整が必要な可能性があります。定期的な血液検査の結果を理解し、医療スタッフと共有することで、より良い体調管理が実現します。日々の自己観察と記録が、早期発見と適切な対応につながります。

まとめ

透析治療は、適切な知識と自己管理により、多くの方が長期的に継続し、充実した日常生活を送っています。血液透析と腹膜透析にはそれぞれの特徴があり、ライフスタイルや身体状態に応じて選択できます。食事療法や水分管理、感染予防などの日常的なケアが、治療効果を高め、合併症を防ぐ鍵となります。体調変化を早期に察知し、医療スタッフと密に連携することで、より安全で快適な透析生活が実現します。疑問や不安がある場合は、遠慮なく専門機関に相談し、適切な支援を受けることが大切です。

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