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「透析治療」をしながら『仕事』はできる? 医師が教える“両立”のポイント

 公開日:2025/11/16
「透析治療」をしながら『仕事』はできる? 医師が教える“両立”のポイント

透析治療を受けながらも、仕事や趣味、社会活動を続けている方は少なくありません。適切な自己管理とスケジュール調整により、充実した生活を送ることは十分に可能です。ここでは就労との両立や運動の取り入れ方など、日常生活を豊かにするための具体的な工夫について解説します。無理のない範囲で活動を続けることが生活の質を高めます。

浅川 貴介

監修医師
浅川 貴介(医師)

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【経歴】
2004年 私立海城高等学校卒業
2010年 私立東邦大学医学部卒業 医師免許取得
2012年 公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年 東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
2018年 医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年 浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医

透析治療を受けながらの日常生活の工夫

透析治療を受けながらも、多くの方が仕事や趣味、社会活動を継続されています。適切な自己管理と工夫により、充実した日常生活を送ることが可能です。ただし、体調や治療スケジュールに応じた調整が必要であり、無理のない範囲で活動することが大切です。

就労と透析治療の両立

透析治療を受けながら働いている方は少なくありません。血液透析の場合、夜間透析や早朝透析を選択することで、日中の就労時間を確保できます。また、週3回の透析日を考慮したシフト調整や、在宅勤務の活用も有効です。腹膜透析の場合は通院回数が少なく、自宅で治療できるため、就労継続がしやすいという利点があります。 就労にあたっては、職場への病状説明が重要です。透析治療を受けていることを伝え、通院スケジュールへの理解を得ることで、無理のない働き方が実現します。また、産業医や人事担当者と相談し、業務内容の調整や休憩時間の確保なども検討できます。障害者手帳の取得により、就労支援制度を利用できる場合もあります。職場とのコミュニケーションを大切にし、協力を得ながら働き続けることが、生活の質を高める一つの方法です。

運動と日常活動の取り入れ方

適度な運動は、筋力維持、心肺機能の向上、ストレス軽減に役立ちます。透析患者さんに推奨されるのは、ウォーキング、ストレッチ、軽い筋力トレーニングなどです。激しい運動は避け、自分の体力に合わせた強度で行うことが大切です。運動習慣を取り入れることで、体調管理がしやすくなり、生活の質が向上します。 血液透析の方は、シャント(血管アクセス)のある腕に過度な負担をかけないよう注意します。重いものを持つ、腕枕をする、血圧測定をシャント側で行うなどは避けます。運動前後には水分摂取量に気を配り、透析間の体重増加が過度にならないよう管理します。体調不良時や透析直後は無理をせず、休息を優先することが重要です。定期的な運動習慣により、生活の質を高め、長期的な健康維持につながります。医師や理学療法士と相談しながら、自分に合った運動プログラムを組み立てることが推奨されます。

まとめ

透析治療は、適切な知識と自己管理により、多くの方が長期的に継続し、充実した日常生活を送っています。血液透析と腹膜透析にはそれぞれの特徴があり、ライフスタイルや身体状態に応じて選択できます。食事療法や水分管理、感染予防などの日常的なケアが、治療効果を高め、合併症を防ぐ鍵となります。体調変化を早期に察知し、医療スタッフと密に連携することで、より安全で快適な透析生活が実現します。疑問や不安がある場合は、遠慮なく専門機関に相談し、適切な支援を受けることが大切です。

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