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「透析患者」によい食べ物をご存じですか? 控えるべき食品とは?【医師解説】

 公開日:2025/11/15
「透析患者」によい食べ物をご存じですか? 控えるべき食品とは?【医師解説】

食事療法は透析治療の効果を高め、合併症を予防するうえで欠かせない要素です。適切な栄養管理により透析の効率が向上し、生活の質を保つことができます。ここでは透析を受けている方が日常的に気をつけるべき栄養素と、その管理方法について具体的に解説します。個人の状態に応じた食事計画を立てることが重要です。

浅川 貴介

監修医師
浅川 貴介(医師)

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【経歴】
2004年 私立海城高等学校卒業
2010年 私立東邦大学医学部卒業 医師免許取得
2012年 公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年 東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
2018年 医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年 浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医

透析患者さんにおける食事療法の基本原則

透析治療を受けている方にとって、食事療法は薬物療法と並ぶ治療の柱です。適切な食事管理により、透析の効率を高め、合併症を予防し、生活の質を向上させることができます。ただし、食事療法の内容は個人の身体状態や透析方法によって異なるため、医師や管理栄養士の指導を受けることが大切です。

タンパク質と塩分の管理

透析患者さんのタンパク質摂取量は、透析前の保存期とは異なり、一定量の摂取が推奨されます。透析によって失われるタンパク質を補い、栄養状態を維持するため、体重1kgあたり1.0〜1.2g程度の良質なタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)を摂取するとよいでしょう。ただし、過剰摂取は老廃物の蓄積につながるため、適量を守ることが大切です。 塩分については、1日6g未満を目安に制限します。塩分の過剰摂取は血圧上昇や浮腫の原因となり、心臓や血管への負担を増大させます。調味料の使用量を減らし、出汁や香辛料で風味を補う工夫が有効です。加工食品や外食は塩分が多く含まれるため、できるだけ避けることが推奨されます。具体的には、ハム、ソーセージ、練り製品、漬物、インスタント食品などは控えめにし、新鮮な食材を使った調理を心がけることが望ましいです。

カリウムとリンのコントロール

カリウムは心臓のリズムに影響を与えるため、特に注意が必要な電解質です。血液中のカリウム濃度が高くなると不整脈を引き起こし、重篤な場合は生命に関わります。カリウムを多く含む生野菜、果物、芋類、豆類などは摂取量を調整します。野菜は茹でこぼしや水にさらすことでカリウムを減らせます。ただし、完全に除去できるわけではないため、摂取量そのものの管理が重要です。 リンは骨や血管の石灰化に関係し、過剰摂取は骨代謝異常や動脈硬化を招きます。リンは乳製品、加工食品(ハムやソーセージ)、インスタント食品に多く含まれるため、これらの摂取を控えます。また、リン吸着薬を食事とともに服用することで、食事由来のリンの吸収を抑えることができます。管理栄養士による定期的な栄養指導を受け、個別の状態に応じた食事計画を立てることが重要です。食事療法は継続が鍵となるため、無理のない範囲で工夫を重ねることが推奨されます。

まとめ

透析治療は、適切な知識と自己管理により、多くの方が長期的に継続し、充実した日常生活を送っています。血液透析と腹膜透析にはそれぞれの特徴があり、ライフスタイルや身体状態に応じて選択できます。食事療法や水分管理、感染予防などの日常的なケアが、治療効果を高め、合併症を防ぐ鍵となります。体調変化を早期に察知し、医療スタッフと密に連携することで、より安全で快適な透析生活が実現します。疑問や不安がある場合は、遠慮なく専門機関に相談し、適切な支援を受けることが大切です。

この記事の監修医師

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