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糖尿病リスクを下げる?ヨーグルトの血糖値抑制効果と、加糖を避けるべき正しい選び方

 公開日:2025/12/13
ヨーグルトと糖尿病管理の関係

糖尿病は、インスリンの作用不足により血糖値が慢性的に高い状態が続く疾患です。ヨーグルトは適切に選択し摂取することで、糖尿病管理に役立つ可能性があります。プロバイオティクスによる腸内環境改善がインスリン感受性を向上させることや、タンパク質・カルシウムが血糖コントロールに好影響を与えることが示唆されています。本章では、血糖値スパイクの抑制効果やインスリン抵抗性の改善について解説します。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

ヨーグルトと糖尿病管理の関係

糖尿病は、インスリンの作用不足により血糖値が慢性的に高い状態が続く疾患です。2型糖尿病は生活習慣が発症に大きく関与し、食事管理が治療の基本となります。ヨーグルトは、適切に選択し摂取することで、糖尿病管理に役立つ可能性があります。

複数の疫学研究において、ヨーグルトの定期的な摂取が2型糖尿病の発症リスクを低減する可能性が示唆されています。この効果は、プロバイオティクスによる腸内環境改善がインスリン感受性を向上させること、タンパク質やカルシウムが血糖コントロールに好影響を与えることなどが関与していると考えられています。

ただし、糖尿病患者さんがヨーグルトを摂取する際には、糖質量とカロリーに注意が必要です。加糖ヨーグルトは血糖値を急上昇させるため、無糖のプレーンヨーグルトを選び、摂取量を適切に管理することが推奨されます。

血糖値スパイクの抑制効果

食後の急激な血糖値上昇(血糖値スパイク)は、血管内皮機能の障害や酸化ストレスの増大を引き起こし、糖尿病合併症のリスクを高めます。ヨーグルトは食事に組み合わせることで、食後血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。摂取順序や食事内容によって効果は異なります。

この効果は、ヨーグルトに含まれるタンパク質と脂質が、胃からの内容物排出を遅らせ、糖質の吸収速度を緩徐にすることによります。また、乳酸が消化管でのグルコースの吸収を遅延させる可能性も指摘されています。主食(ご飯、パンなど)と一緒にヨーグルトを摂取することで、食後血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。

インスリン抵抗性の改善

2型糖尿病の発症には、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなる状態)が関与しています。内臓脂肪の蓄積や慢性炎症は、インスリン抵抗性を悪化させる要因です。

ヨーグルトに含まれる特定の乳酸菌株は、腸内環境を改善し、炎症性サイトカインの産生を抑制することで、インスリン抵抗性の改善に寄与する可能性があります。また、カルシウムとマグネシウムは、インスリンシグナル伝達に重要な役割を果たし、血糖コントロールをサポートします。

まとめ

ヨーグルトは、適切に選択し摂取することで、腸内環境の改善、栄養補給、体重管理、血糖コントロールなど、多方面から健康をサポートする食品です。一方で、製品によってカロリー、糖質、脂質の含有量は大きく異なるため、自身の健康状態や目的に応じた選択が重要です。プレーンヨーグルトを基本とし、1日100〜200g程度を目安に、バランスの取れた食事の一部として取り入れることで、長期的な健康維持に貢献します。ダイエットや糖尿病管理など、特定の目的がある場合は、医師や管理栄養士と相談しながら、適切な摂取方法を検討することが推奨されます。

この記事の監修管理栄養士