糖尿病や糖質制限でも食べていい?気になる糖質含有量と血糖値スパイクを防ぐ賢い選び方

ヨーグルトの糖質含有量は製品タイプによって大きく異なり、プレーンヨーグルトで100gあたり約5g前後、加糖タイプでは10〜15gの糖質が含まれています。プレーンヨーグルトは比較的低いグリセミック指数を示し、タンパク質や脂質が糖質の吸収速度を緩やかにする働きがあります。糖尿病の方や血糖コントロールが必要な方にとって、糖質量の把握は重要です。本章では、乳糖不耐症への対応や糖質制限食におけるヨーグルトの位置づけについて説明します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
ヨーグルトの糖質含有量と血糖値への影響
ヨーグルトの糖質含有量は、製品タイプによって大きく異なります。プレーンヨーグルトには乳由来の乳糖が含まれており、100gあたり約5g前後の糖質が含まれます。一方、加糖タイプでは10〜15g、果実入りタイプでは15〜20gの糖質が含まれることもあります。
糖質は体内で分解されてブドウ糖となり、エネルギー源として利用されます。摂取後の血糖値上昇の程度を示すグリセミック指数(GI値)において、プレーンヨーグルトは比較的低い値を示します。これは、タンパク質や脂質が糖質の吸収速度を緩やかにする働きがあるためです。
糖尿病の方や血糖コントロールが必要な方にとって、糖質量の把握は重要です。加糖ヨーグルトは血糖値を急上昇させる可能性があるため、無糖のプレーンヨーグルトを選択することが推奨されます。必要に応じて、自身で低GI値の果実(ベリー類など)を少量加えることで、血糖値への影響を最小限に抑えられます。
乳糖不耐症への対応と糖質管理
乳糖は牛乳に含まれる二糖類で、ラクターゼという酵素により分解されます。日本人を含むアジア系民族の多くは、成人後にラクターゼ活性が低下し、乳糖不耐症の症状(腹部膨満感、下痢など)を示すことがあります。
ヨーグルトは発酵過程で乳糖の一部が乳酸菌により分解されているため、牛乳と比較して乳糖含有量が少なく、乳糖不耐症の方でも比較的摂取しやすい乳製品です。さらに、ヨーグルトに含まれる乳酸菌自体がラクターゼ様の活性を持つため、腸内での乳糖分解が促進されます。
糖質制限食におけるヨーグルトの位置づけ
近年、糖質制限食やロカボ(適正糖質)食が注目されています。これらの食事法では、1日の糖質摂取量を制限し、血糖値の安定化や体重管理を目指します。
プレーンヨーグルトの糖質量は比較的少なく、100gあたり5g程度であるため、適量であれば糖質制限食にも組み込むことができます。ただし、加糖タイプや果実入りタイプは糖質量が多いため、厳格な糖質制限を行っている方には不向きです。ギリシャヨーグルトのように水切り製法で作られた製品は、タンパク質濃度が高く糖質が相対的に少ないため、糖質制限中の選択肢として適しています。
まとめ
ヨーグルトは、適切に選択し摂取することで、腸内環境の改善、栄養補給、体重管理、血糖コントロールなど、多方面から健康をサポートする食品です。一方で、製品によってカロリー、糖質、脂質の含有量は大きく異なるため、自身の健康状態や目的に応じた選択が重要です。プレーンヨーグルトを基本とし、1日100〜200g程度を目安に、バランスの取れた食事の一部として取り入れることで、長期的な健康維持に貢献します。ダイエットや糖尿病管理など、特定の目的がある場合は、医師や管理栄養士と相談しながら、適切な摂取方法を検討することが推奨されます。
参考文献




