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チョコレートの脂質は体に悪い?カカオバターの意外な特徴と注意点を管理栄養士が解説

 公開日:2025/11/14
チョコレートの脂質は体に悪い?カカオバターの意外な特徴と注意点を管理栄養士が解説

チョコレートには糖質だけでなく、脂質も豊富に含まれています。その主成分であるカカオバターは、植物性脂肪として独特の性質を持ちます。脂質の種類や質によって健康への影響は変わるため、カカオバターの特性やトランス脂肪酸への配慮について理解しておくことが大切です。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

脂質の種類と身体への影響

チョコレートには糖質だけでなく、脂質も多く含まれています。脂質の種類や質によって健康への影響は異なるため、チョコレートに含まれる脂質について詳しく見ていきます。

カカオバターの特性

チョコレートの脂質の主成分はカカオバターです。カカオバターはカカオ豆から抽出される植物性脂肪で、独特の風味と口どけの良さをチョコレートに与えています。100gのチョコレートには約30〜40gの脂質が含まれており、これは総重量の3〜4割を占めます。 カカオバターに含まれる脂肪酸は、飽和脂肪酸であるパルミチン酸やステアリン酸、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が主なものです。飽和脂肪酸は一般的に摂りすぎると血中コレステロールを上昇させる可能性があるとされていますが、カカオバターに含まれるステアリン酸は体内で不飽和脂肪酸に変換されやすいという特徴があります。 そのため、カカオバターの飽和脂肪酸は、肉類やバターに含まれる飽和脂肪酸に比べて血中コレステロール値への影響が少ないとする研究報告もあります。ただし、脂質自体が高カロリーであることに変わりはないため、過剰摂取は避けるべきです。

トランス脂肪酸への配慮

トランス脂肪酸は液体の油を固形化する過程で生成される脂肪酸で、摂取することで動脈硬化や心血管疾患のリスクを高める可能性があるとされています。チョコレートの製造過程では、コスト削減や加工性向上のために植物油脂が添加されることがあります。 天然のカカオバターのみを使用した製品では、トランス脂肪酸の含有量は非常に少ないかほとんど含まれていません。一方、カカオバターの代わりに植物油脂(パーム油や大豆油など)を使用している製品では、その製造方法によってトランス脂肪酸が含まれる可能性があります。 原材料表示を確認し、「カカオバター」のみが使用されている製品を選ぶことで、トランス脂肪酸の摂取を抑えることができます。また、「植物油脂」や「ショートニング」と表示されている場合は、その含有量や製造方法を確認することが望ましいでしょう。 近年は、健康意識の高まりからトランス脂肪酸を低減した製品も増えています。より望ましいチョコレートを選ぶためには、原材料表示や製造企業の情報開示を確認することが重要です。

まとめ

チョコレートは、健康との付き合い方を理解して適切に楽しむことが大切です。カカオに含まれるポリフェノールやテオブロミンには健康効果が期待される一方で、高カロリー・高糖質・高脂質という特性も併せ持っています。血糖値への影響を抑えるためには、空腹時を避け食後に少量を楽しむ、食物繊維と組み合わせるなどの工夫が有効です。完全に禁止するのではなく、正確な知識を持って計画的に楽しむことで、心理的なストレスを減らしながら健康的な生活を送ることができます。体重や血糖値の管理に不安がある方は、医療機関で相談されることをおすすめします。

この記事の監修管理栄養士

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