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「偏頭痛」のせいで仕事が続かない… 仕事・家庭に及ぶ“深刻な影響”とは【医師監修】

 公開日:2025/12/01
偏頭痛が日常生活に及ぼす影響

偏頭痛は単なる頭痛ではなく、患者さんの生活の質に深く関わる疾患です。仕事や学業での集中力低下、予定のキャンセルを余儀なくされるなど、社会生活全般に支障をきたすことがあります。また周囲からの理解が得られにくいことによる精神的な負担も見過ごせません。偏頭痛が及ぼす具体的な影響について確認していきます。

石井 映幸

監修医師
石井 映幸(医師)

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【経歴】
帝京大学医学部を卒業。同脳神経外科教室に入局し、医学博士取得。医局長、医学部講師を経て現職。帝京大学医学部非常勤講師、湘南医療大学臨床教授を兼務
【資格】
・日本脳神経外科 専門医
・医学博士
・臨床研修指導医
・日本スポーツ協会公認スポーツドクター
・日本パラスポーツ協会公認パラスポーツ医
・認知症サポート医
・脳神経外科認知症 認定医

偏頭痛が日常生活に及ぼす影響

偏頭痛は単なる頭痛ではなく、患者さんの生活の質に大きく影響する疾患です。仕事や社会生活における支障を理解し、適切な対処を考えることが重要です。

仕事や学業への支障

偏頭痛の発作は、予測が難しく突然訪れることが多いため、仕事や学業に計画的に取り組むことを困難にします。頭痛が始まると、集中力が著しく低下し、パソコン作業や読書などの細かい作業が苦痛になります。光や音への過敏性があるため、オフィスの照明や会議室での会話も負担となり、通常の業務を続けることが難しくなります。 重度の発作時には欠勤や早退を余儀なくされることもあり、キャリアへの影響を心配される方も少なくありません。学生の場合は、試験や重要な授業を欠席せざるを得なくなることもあります。また、発作の不安から、新しいプロジェクトへの参加や責任ある役割を引き受けることをためらう方もいらっしゃいます。 慢性的に偏頭痛を抱える方の中には、月に数回から十数回も発作を経験し、生産性の低下や経済的な負担を感じているケースも報告されています。職場や学校での理解が得られないことによる精神的な負担も、見過ごすことのできない問題です。

社会生活や対人関係への影響

偏頭痛は社交活動や家族との時間にも影響を及ぼします。予定していた外出や集まりを直前でキャンセルせざるを得ないことが重なると、周囲からの理解を得にくくなり、孤立感を深める要因となることがあります。「また頭痛」と思われることへの不安から、症状を我慢してしまう方も見られます。 趣味やレジャー活動も制限を受けることがあり、旅行や外食、スポーツなどを楽しむ機会が減少します。偏頭痛が起きるかもしれないという不安が常にあることで、生活全般において消極的になってしまう方も少なくありません。このような状況が続くと、抑うつ状態や不安障害を併発するリスクも高まるとされています。ただし、適切な治療や予防的な対策により、こうした生活への影響を抑えることは可能です。専門医への相談や周囲への説明を通じて、理解と協力を得ることが改善への第一歩となります。

まとめ

偏頭痛は拍動性の痛みや随伴症状が特徴的な疾患ですが、その症状や種類は多様です。前兆の有無、頻度、慢性化の程度によって、適切な対処法が異なります。視覚性前兆や感覚障害などの前兆症状を理解することで、早期の対処が可能になる場合もあります。 頭痛のパターンに変化が見られた場合や日常生活に支障が出ている場合は、専門医への相談をおすすめします。適切な診断と治療により、生活の質を大きく改善することが期待できます。偏頭痛は我慢する疾患ではなく、適切に対処することで改善が見込める疾患です。困っていることがあれば、頭痛外来や神経内科などの専門診療科を受診し、ご自身に合った治療法を見つけることが大切です。

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