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ただの頭痛じゃない? 「偏頭痛」を見分ける7つの代表症状とは【医師監修】

 公開日:2025/11/30
偏頭痛の代表的な症状

偏頭痛は日常生活に大きな影響を及ぼす頭痛の一つです。脈打つような拍動性の痛みが特徴的で、吐き気や光過敏などの随伴症状を伴うことが少なくありません。痛みの現れ方や強さには個人差がありますが、典型的な症状を理解することで早期の対処につながります。ここでは偏頭痛の代表的な症状について詳しく解説していきます。

石井 映幸

監修医師
石井 映幸(医師)

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【経歴】
帝京大学医学部を卒業。同脳神経外科教室に入局し、医学博士取得。医局長、医学部講師を経て現職。帝京大学医学部非常勤講師、湘南医療大学臨床教授を兼務
【資格】
・日本脳神経外科 専門医
・医学博士
・臨床研修指導医
・日本スポーツ協会公認スポーツドクター
・日本パラスポーツ協会公認パラスポーツ医
・認知症サポート医
・脳神経外科認知症 認定医

偏頭痛の代表的な症状

偏頭痛は、日常生活に大きな影響を及ぼす頭痛の一つです。拍動性の痛みや吐き気などの随伴症状が特徴で、痛みの現れ方には個人差があります。

拍動性の痛みと痛みの特徴

偏頭痛で見られる痛みは、脈打つような拍動性の痛みが特徴的です。心臓の鼓動に合わせて「ズキズキ」「ガンガン」と痛むことが多く、この痛みは頭の片側に現れることが典型的とされています。ただし、患者さんによっては両側に痛みを感じる場合もあり、必ずしも片側だけとは限りません。 痛みの強さは中等度から重度で、日常的な動作である階段の昇り降りや歩行によって痛みが悪化する傾向があります。そのため、偏頭痛の発作中は安静にしていることを好む方が多く見られます。痛みの持続時間は個人差がありますが、一般的には4時間から72時間程度続くことが知られています。治療を行わない場合、数日間にわたって症状が持続することもあります。 痛みの部位は、こめかみや目の奥、額など頭の前半分に集中することが多いものの、後頭部や首筋に痛みを感じる方もいらっしゃいます。痛みの質は、締め付けられるような痛みとは異なり、血管が拡張するような独特の感覚を伴うことがあります。痛みの程度や部位は発作ごとに変化する場合もあり、一定のパターンを示す方もいれば、毎回異なる痛みを経験される方もいます。

随伴症状としての吐き気や光過敏

偏頭痛では、頭痛そのものだけでなく、さまざまな随伴症状が現れます。頻度が高いのが吐き気や嘔吐です。この吐き気は頭痛の強さと連動することが多く、重度の頭痛ほど強い吐き気を伴う傾向があります。 光過敏(羞明)と音過敏(音恐怖)も代表的な随伴症状です。明るい光が目に入ると頭痛が悪化したり、日常的な音量でも不快に感じたりすることがあります。そのため、偏頭痛の発作時には暗く静かな部屋で休むことを望まれる方が多くいらっしゃいます。テレビやスマートフォンの画面の光さえも辛く感じることがあり、日常生活への影響は少なくありません。 においに対する過敏性も報告されており、普段は気にならない香水や料理のにおいが不快に感じられることがあります。これらの感覚過敏は、偏頭痛の発作が収まると自然に改善していきます。また、集中力の低下や倦怠感、めまいなどを感じる方もおり、仕事や学業に支障をきたすケースも見られます。こうした症状の出方や程度は個人によって異なるため、ご自身の症状パターンを把握しておくことが対処のうえで役立ちます。

まとめ

偏頭痛は拍動性の痛みや随伴症状が特徴的な疾患ですが、その症状や種類は多様です。前兆の有無、頻度、慢性化の程度によって、適切な対処法が異なります。視覚性前兆や感覚障害などの前兆症状を理解することで、早期の対処が可能になる場合もあります。 頭痛のパターンに変化が見られた場合や日常生活に支障が出ている場合は、専門医への相談をおすすめします。適切な診断と治療により、生活の質を大きく改善することが期待できます。偏頭痛は我慢する疾患ではなく、適切に対処することで改善が見込める疾患です。困っていることがあれば、頭痛外来や神経内科などの専門診療科を受診し、ご自身に合った治療法を見つけることが大切です。

この記事の監修医師

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