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「胃ポリープ」がどんな基準で治療が行われる?【医師監修】

 公開日:2025/11/27
胃ポリープが見つかったときの治療選択

発見されたポリープに対して、すぐに治療が必要な場合と経過観察で十分な場合があります。判断には、ポリープの種類や大きさ、形態、症状の有無などを総合的に評価することが不可欠です。ここでは医学的な観点から、経過観察を選択する基準と内視鏡的切除を行う判断基準について詳しく解説します。適切な治療選択のための参考としてください。

前畑 忠輝

監修医師
前畑 忠輝(医師)

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【経歴】
2001年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業。聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科に入局後、札幌医科大学第一内科にて消化器がんの発がんに関する遺伝子研究にて学位取得。専門は消化器内科、特に消化管がんの内視鏡診断と治療。最近まで慶應義塾大学医学部腫瘍センターに所属し、世界的名医の片腕として主に内視鏡診断および治療を行いながら、消化器がんに対する低侵襲療法の研究および医療機器の開発に取り組み、国内外で研究発表するだけでなく、招待講演や海外医師の実技指導、ライブデモンストレーションなどを行っていた。2020年4月より聖マリアンナ医科大学消化器内科教授として活動している。また、臨床研修センター副センター長として研修医採用の責任者も兼任している。
最近は、専門である内視鏡診断・治療技術の開発だけでなく、VRを用いた医療技術の開発、消化管内の創傷治癒に対する東京大学理工学部との共同研究、小児や成人の腸内細菌を用いた研究などを行なっている。

【資格】
消化器内視鏡専門医・指導医・学術評議員
消化器病専門医・指導医・支部評議員
消化管学会専門医・指導医・代議員

胃ポリープが見つかったときの治療選択

胃カメラでポリープが発見された際、すぐに治療が必要なケースと経過観察で十分なケースがあります。適切な判断のためには、ポリープの種類、大きさ、形態、数などを総合的に評価します。

経過観察が選択される基準

多くの胃ポリープは良性で増大速度も緩やかなため、定期的な内視鏡検査での経過観察が標準的な対応となります。特に胃底腺ポリープや小さな過形成性ポリープは、がん化のリスクが極めて低いため、半年から1年ごとの検査で大きさや数の変化を確認します。 経過観察中に注意すべき点は、ポリープの急激な増大、形態の不整化、表面の陥凹や潰瘍形成などです。これらの変化が認められた場合には、組織検査や切除を検討します。また、症状の有無も重要な判断材料となり、出血による黒色便や貧血、腹痛などが出現した際には、サイズにかかわらず積極的な介入が必要になることもあります。定期的な検査を継続することで、変化を早期に捉えることが可能です。

内視鏡的切除を行う判断基準

内視鏡的切除の適応となるのは、ポリープの悪性化が疑われる場合、サイズが大きく出血や通過障害のリスクがある場合、患者さんの希望がある場合などです。切除方法にはポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術があり、ポリープの大きさや形状に応じて選択されます。この処置は、原則として入院して行われます。 切除後は摘出した組織を病理検査に提出し、良悪性の最終診断を行います。切除後の合併症として、出血や穿孔(せんこう)のリスクがあるため、術後は数日間の食事制限や安静が必要です。また、抗凝固薬や抗血小板薬を服用されている方は、出血リスクが高まるため、事前に休薬や代替療法について主治医と相談する必要があります。治療方針は個々の状況に応じて慎重に決定されます。

まとめ

胃カメラ検査は、早期に病変を発見し適切な治療につなげるための重要な検査です。検査頻度は年齢やリスク因子によって異なりますが、ピロリ菌感染歴のある方や家族歴のある方は、より短い間隔での検査が推奨されます。ポリープが見つかっても多くは良性であり、適切な経過観察や必要に応じた切除によって対応可能です。 検査時の苦痛に関しても、鎮静剤の使用や経鼻内視鏡の選択により大幅に軽減できます。症状がある場合や健診で異常を指摘された際には、定期検査を待たずに速やかな受診が重要です。ご自身の状態に合わせた適切な検査計画について、専門の医師にご相談ください。早期発見は良好な予後につながる可能性を高めます。

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