「胃カメラ」はどれくらいの頻度で受けた方がいいの？【医師監修】

胃カメラの適切な検査頻度

胃カメラをどのくらいの頻度で受けるべきかは、年齢、既往歴、ピロリ菌感染の有無、家族歴などによって個別に判断されます。過不足ない検査計画が早期発見と医療費の適正化につながります。

年齢別の推奨検査間隔

一般的に、胃がんのリスクは40歳を超えると上昇し始めます。そのため、40歳以降で一度は内視鏡で自分のリスク（ピロリ菌感染歴や萎縮の程度）を確認し、以後の間隔はその結果に応じて医師と決めるとよいでしょう。 ただし、この間隔はあくまで標準的なもので、個人のリスク因子によって調整が必要です。若年の方であっても、持続する胃部不快感や体重減少、貧血などの症状がある場合には、年齢にかかわらず検査を受けることが推奨されます。また、胃がんの家族歴がある方は、より早い年齢からの定期検査と短い検査間隔が推奨される場合があります。医師との相談のうえで、ご自身に適した検査スケジュールを設定することが大切です。

リスク因子がある場合の頻度調整

ピロリ菌感染歴がある方、萎縮性胃炎と診断されている方、過去に胃ポリープや胃潰瘍の治療歴がある方などは、標準的な検査間隔よりも短い頻度での検査が推奨されます。特にピロリ菌除菌後の方は、除菌によって胃がんリスクは低下するものの、完全にはゼロにならないため、年1回の検査が推奨されることが多いです。 また、胃がんの家族歴がある方、特に一親等(親、子、兄弟姉妹)に胃がんの方がいる場合には、遺伝的素因も考慮して検査頻度を決定します。喫煙習慣のある方や、塩分の多い食事を好む方も、生活習慣の改善とともに定期的な検査が重要です。これらのリスク因子が複数重なる場合には、より慎重なフォローアップが必要になります。個々の状況に応じた検査計画を立てることで、早期発見の可能性を高めることができます。