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「胃カメラと大腸カメラ」の役割の違いはご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/11/26
胃カメラと大腸カメラの役割の違い

内視鏡検査には胃カメラと大腸カメラがあり、それぞれ観察する部位や目的が異なります。消化器系全体の健康状態を把握するためには、両者の特性を理解しておくことが大切です。ここでは、それぞれの検査で確認できる範囲や発見可能な疾患について詳しくご説明します。ご自身に必要な検査を適切に選択する際の参考としてください。

前畑 忠輝

監修医師
前畑 忠輝(医師)

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【経歴】
2001年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業。聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科に入局後、札幌医科大学第一内科にて消化器がんの発がんに関する遺伝子研究にて学位取得。専門は消化器内科、特に消化管がんの内視鏡診断と治療。最近まで慶應義塾大学医学部腫瘍センターに所属し、世界的名医の片腕として主に内視鏡診断および治療を行いながら、消化器がんに対する低侵襲療法の研究および医療機器の開発に取り組み、国内外で研究発表するだけでなく、招待講演や海外医師の実技指導、ライブデモンストレーションなどを行っていた。2020年4月より聖マリアンナ医科大学消化器内科教授として活動している。また、臨床研修センター副センター長として研修医採用の責任者も兼任している。
最近は、専門である内視鏡診断・治療技術の開発だけでなく、VRを用いた医療技術の開発、消化管内の創傷治癒に対する東京大学理工学部との共同研究、小児や成人の腸内細菌を用いた研究などを行なっている。

【資格】
消化器内視鏡専門医・指導医・学術評議員
消化器病専門医・指導医・支部評議員
消化管学会専門医・指導医・代議員

胃カメラと大腸カメラの役割の違い

胃カメラと大腸カメラは、いずれも内視鏡を用いた検査ですが、観察する部位と目的が異なります。それぞれの特性を理解することで、ご自身に必要な検査を適切に選択できるようになるでしょう。

胃カメラで観察できる範囲と疾患

胃カメラは正式には上部消化管内視鏡検査と呼ばれ、口または鼻から内視鏡を挿入して食道、胃、十二指腸の一部を観察します。この検査で発見できる主な疾患には、逆流性食道炎、食道がん、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、胃ポリープなどがあります。 特にピロリ菌感染による慢性胃炎は胃がんのリスク因子として知られており、早期発見と適切な治療介入が重要です。検査自体は通常5〜15分程度で完了しますが、鎮静剤を使用する場合は検査後に30分から1時間程度の休憩が必要となります。検査中は粘膜の状態を詳細に観察し、必要に応じて組織を採取して病理検査を行います。このように胃カメラは上部消化管の健康状態を把握するうえで、極めて有用な検査といえるでしょう。

大腸カメラの検査範囲と見つかる病変

大腸カメラは下部消化管内視鏡検査とも呼ばれ、肛門から内視鏡を挿入して直腸から盲腸までの大腸全体を観察する検査です。主に大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、憩室症などの診断に用いられます。大腸がんは日本人のがん死亡原因の上位を占めており、早期発見によって治癒の可能性が大きく向上します。 検査前には腸管内を空にするため、前日からの食事制限と当日の下剤服用が必要です。検査時間は15分から30分程度ですが、腸管の形状や病変の有無によって変動します。ポリープが発見された場合、サイズや形状によってはその場で切除することも可能です。このように大腸カメラは下部消化管の病変を発見し、治療にもつながる重要な検査方法となっています。

まとめ

胃カメラ検査は、早期に病変を発見し適切な治療につなげるための重要な検査です。検査頻度は年齢やリスク因子によって異なりますが、ピロリ菌感染歴のある方や家族歴のある方は、より短い間隔での検査が推奨されます。ポリープが見つかっても多くは良性であり、適切な経過観察や必要に応じた切除によって対応可能です。 検査時の苦痛に関しても、鎮静剤の使用や経鼻内視鏡の選択により大幅に軽減できます。症状がある場合や健診で異常を指摘された際には、定期検査を待たずに速やかな受診が重要です。ご自身の状態に合わせた適切な検査計画について、専門の医師にご相談ください。早期発見は良好な予後につながる可能性を高めます。

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