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「脳梗塞」を防ぐ! 食塩6g未満を目指す減塩のコツと血管を強くする食事【医師解説】

 公開日:2025/11/11
脳梗塞予防のための食生活

日々の食事は脳梗塞の予防に直結します。塩分や脂質の摂り方を見直すことで、血管の健康を保ち発症リスクを減らすことができます。本章では、減塩のコツや栄養バランスの整え方、脂質の選び方など、実践的な食生活改善のポイントを紹介します。

伊藤 たえ

監修医師
伊藤 たえ(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院初期研修。東京都の総合病院脳神経外科、菅原脳神経外科クリニックなどを経て赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック東京脳ドックの院長に就任。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳ドック学会認定医。

脳梗塞予防のための食生活

食生活の改善は脳梗塞予防の基本であり、血管の健康を保つうえで欠かせません。日々の食事内容を見直すことで、長期的なリスク低減が期待できます。

減塩と栄養バランス

日本の方の食塩摂取量は世界的に見て多く、高血圧の原因となっています。1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが推奨されており、加工食品や外食の利用を控え、塩分を減らす工夫が必要です。減塩と並行して、野菜や果物、魚類、全粒穀物を中心としたバランスの良い食事を心がけることで、ビタミンやミネラル、食物繊維を十分に摂取できます。 特にカリウムを多く含む野菜や果物は、ナトリウムの排泄を促し血圧を下げる効果があります。食生活の改善は即座に効果が現れるものではありませんが、継続することで血管の健康維持につながります。調理法や食材選びの工夫で、無理なく減塩を実現することが可能です。

脂質の質と量

動物性脂肪や揚げ物に多く含まれる飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを上昇させ動脈硬化を促進します。一方、青魚に豊富なオメガ3系脂肪酸(EPAやDHA)は血液をサラサラにし、血栓形成を抑制する作用があります。週に2〜3回は魚を食べ、調理油はオリーブオイルやキャノーラ油など不飽和脂肪酸を多く含むものを選ぶことが望ましいです。 トランス脂肪酸を含むマーガリンや加工食品は避けることが推奨されます。脂質は完全に避けるのではなく、質を重視して摂取することが重要です。食事全体のバランスを考えながら、血管に優しい脂質を選ぶことが脳梗塞予防につながります。

まとめ

脳梗塞は突然の発症により生活の質を大きく損なう疾患ですが、その多くは予防可能な要因によって引き起こされます。初期症状や前兆を正しく理解し、万が一の際には迅速に行動することが救命と後遺症軽減の鍵となります。片側の麻痺やろれつが回らないといった典型的な症状だけでなく、一過性脳虚血発作のような短時間で消失する症状も重要な警告サインです。FASTによる簡易チェック法を知っておくことで、ご家族や周囲の方も早期発見に貢献できます。 また、高血圧や糖尿病、脂質異常症、心房細動といった基礎疾患の管理、禁煙や適度な運動、バランスの取れた食生活など、日常の積み重ねがリスクを大幅に低減させます。年齢や性別、家族歴といった変えられない要因があっても、生活習慣の改善によってリスクをコントロールすることは可能です。定期的な健康診断を受け、自身の身体の状態を把握することも重要です。 気になる症状がある場合は、早めに内科や神経内科、脳神経外科を受診し、専門医の診察を受けることを推奨します。本記事で紹介した情報は一般的な知識であり、個別の診断や治療に代わるものではありません。脳梗塞の予防と早期発見には、正確な知識と日々の実践、そして専門医との連携が不可欠です。

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