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医師が教える「血糖値」のコントロールに役立つ『食事のタイミング』と“回数”

 公開日:2025/11/12
医師が教える「血糖値」のコントロールに役立つ『食事のタイミング』と“回数”

食事は血糖値に最も直接的な影響を与える要素です。糖質制限やカロリー制限よりも、バランスと継続性を重視した食事法が理想的です。適量・適時の食事を意識し、栄養バランスを整えることで、血糖の急上昇を防げます。ここでは、食事の基本ルールと実践のポイントを解説します。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

血糖値をコントロールする食事の基本

食事は血糖値に直接的な影響を与える要素の一つです。何を、いつ、どのように食べるかによって、血糖値の上昇パターンは大きく変わります。血糖値管理のための食事は、極端な制限ではなく、バランスと工夫を重視した持続可能なアプローチが求められます。

食事の量と質のバランス

血糖値管理において、食事の量と質の両方を考慮することが重要です。適切なエネルギー量の摂取は、体重管理と血糖値管理の基盤となります。過剰なエネルギー摂取は体重増加を招き、インスリンの働きを低下させる可能性があります。一方で、極端な食事制限も身体に負担をかけ、持続が困難になります。自分の身体活動レベルに応じた適切なエネルギー量を知ることが大切です。 栄養素のバランスも重視すべき点です。炭水化物、たんぱく質、脂質をバランスよく摂取することで、安定した血糖値を維持しやすくなります。特に、食物繊維を豊富に含む食品は、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できるため、積極的に取り入れることが推奨されています。

炭水化物の選び方と摂取方法

炭水化物は血糖値に直接影響を与える栄養素ですが、適切に選んで摂取することが重要です。精製された白米や白パンよりも、玄米や全粒粉パンなどの精製度の低い炭水化物を選ぶことで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。これらの食品には食物繊維が多く含まれており、糖の吸収を穏やかにする効果があります。また、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれています。 炭水化物の摂取タイミングも考慮に値します。朝食や昼食では適度な炭水化物を摂取し、夕食では控えめにするという方法も一つの選択肢です。ただし、極端に制限すると持続が難しくなるため、無理のない範囲での調整が望ましいとされています。

食事のタイミングと回数

食事をとるタイミングと回数は、血糖値の変動パターンに影響を与えます。1日3食を規則正しくとることは、血糖値の安定に役立ちます。食事の間隔が長すぎると、空腹時に血糖値が低下しすぎたり、次の食事で血糖値が急上昇したりする可能性があります。理想的には、食事と食事の間隔を4時間から6時間程度に保つことが推奨されています。 朝食を抜くことは避けるべきとされています。朝食を抜くと、昼食後の血糖値が上昇しやすくなることが分かっています。また、朝食は一日の代謝リズムを整える重要な役割を果たします。たとえ忙しい朝でも、簡単なものでも良いので何か食べることが大切です。

まとめ

血糖値の管理は、日々の積み重ねが重要な長期的な取り組みです。基準値を理解し、適切な食事と運動、必要に応じた薬物療法を組み合わせることで、良好なコントロールが可能になります。血糖値管理はダイエットとも密接に関連しており、適正体重の維持が血糖値の安定にもつながります。 血糖値に関する正しい知識を持ち、無理なく続けられる方法を見つけて実践することで、健康的な生活を送ることができるでしょう。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、専門家の指導を受けることをおすすめします。

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