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「血糖値」を薬で下げるときの注意点をご存じですか? 低血糖の予防法も医師が解説

 公開日:2025/11/10
「血糖値」を薬で下げるときの注意点をご存じですか? 低血糖の予防法も医師が解説

生活習慣の改善だけでは血糖値のコントロールが難しい場合、薬物療法が効果を発揮します。薬は血糖を下げるだけでなく、合併症の予防にも役立ちます。しかし、薬に頼りすぎるのではなく、食事や運動と組み合わせることが重要です。ここでは、薬の種類や作用の違い、低血糖への対処法、服薬時の注意点を詳しく解説します。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

血糖値を安定させるための薬物療法

生活習慣の改善だけでは血糖値のコントロールが難しい場合、薬物療法が選択されることがあります。薬物療法は、食事療法や運動療法を補完するものであり、これらの生活習慣改善と併用することで効果を発揮します。

血糖降下薬の種類と作用機序

血糖値を下げる薬には、いくつかの種類があり、それぞれ異なる作用を持っています。インスリン分泌を促進する薬は、膵臓からのインスリン分泌を増やすことで血糖値を下げます。食事に合わせて服用するタイプと、1日を通じて効果が持続するタイプがあります。膵臓の機能が残っている場合に効果的ですが、使用方法を誤ると低血糖を起こす可能性があるため注意が必要です。 インスリン抵抗性を改善する薬は、筋肉や肝臓でのインスリンの働きを高めます。副作用が少なく低血糖のリスクも低いとされていますが、一部には心不全の既往がある方への使用に注意が必要なものもあります。また、体重増加を起こしにくいという特徴もあります。

薬物療法と生活習慣改善の両立

薬を服用していても、生活習慣の改善は継続して行う必要があります。薬物療法は生活習慣改善の効果を補助するものであり、代替するものではありません。食事療法や運動療法を続けることで、薬の効果が高まり、場合によっては薬の量を減らせる可能性もあります。薬を飲んでいるから生活習慣は気にしなくて良いと考えることは避けるべきです。 服薬のタイミングや方法は、薬の種類によって異なります。食前、食直前、食後など、指示された通りに服用することが重要です。飲み忘れた場合の対処方法も、薬によって異なるため、事前に医師や薬剤師に確認しておくと良いでしょう。

低血糖への対処と予防

薬物療法を行う際には、低血糖に注意が必要です。低血糖の症状には、冷や汗、動悸、手の震え、空腹感、頭痛などがあります。これらの症状が現れたら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む飲食物を摂取する必要があります。ブドウ糖やジュースは吸収が早く、速やかに血糖値を上げることができます。外出時には、常にブドウ糖や飴などを携帯しておくことが推奨されています。 低血糖を予防するためには、食事の時間を守り、運動前後の血糖値管理に注意することが大切です。また、飲酒は低血糖のリスクを高めるため、適量を守り、必ず何か食べながら飲むことが重要です。低血糖を繰り返す場合は、医師に相談して治療方針の見直しが必要になることがあります。

まとめ

血糖値の管理は、日々の積み重ねが重要な長期的な取り組みです。基準値を理解し、適切な食事と運動、必要に応じた薬物療法を組み合わせることで、良好なコントロールが可能になります。血糖値管理はダイエットとも密接に関連しており、適正体重の維持が血糖値の安定にもつながります。 血糖値に関する正しい知識を持ち、無理なく続けられる方法を見つけて実践することで、健康的な生活を送ることができるでしょう。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、専門家の指導を受けることをおすすめします。

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