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「血糖値管理」のための『運動』を挫折する人が“やりがちなこと”を医師が解説

 公開日:2025/11/09
「血糖値」を管理の『運動』を挫折する人が“やりがちなこと”や必要なことを医師が解説

運動療法は、血糖値を下げるうえで最も効果的な方法の一つです。運動を通じて筋肉が糖をエネルギーとして消費することで、血糖値が自然に低下します。さらに、継続的な運動はインスリンの働きを高め、糖の代謝を促進します。ここでは、運動の種類や頻度、安全な実践方法、続けるためのコツを具体的に解説します。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

血糖値管理における運動療法の実践

適切な運動は、薬物療法と並んで血糖値管理の柱となります。運動療法を日常生活に取り入れることで、血糖値の改善だけでなく、体重管理や心肺機能の向上など、さまざまな健康効果が期待できます。

効果的な運動の種類と頻度

血糖値を下げる運動には、いくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。ウォーキングは取り組みやすい運動の一つです。特別な器具や技術を必要とせず、日常生活に組み込みやすいという利点があります。食後30分から1時間程度経過してから、30分程度のウォーキングを行うことで、食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。歩く速度は、息が少し上がる程度の早歩きが理想的とされています。 筋力トレーニングは、週に2回から3回程度、大きな筋肉群を使う運動を行うことが推奨されています。スクワット、腕立て伏せ、腹筋運動などの自重トレーニングから始めることができます。筋肉量が増えると、安静時でも多くのエネルギーを消費する身体になり、血糖値の管理がしやすくなります。

運動時の注意点と安全管理

運動を始める際には、いくつかの注意すべき点があります。血糖値が極端に高い状態や低い状態での運動は避ける必要があります。特に血糖降下薬やインスリンを使用している方は、低血糖のリスクに注意が必要です。運動前に血糖値を測定し、適切な範囲にあることを確認してから始めることが望ましいとされています。 また、合併症がある場合は、運動の種類や強度について医師と相談することが重要です。例えば、網膜症がある場合は激しい運動を避ける必要があったり、神経障害がある場合は足に負担がかかりにくい運動を選ぶ必要があったりします。自分の身体の状態を理解したうえで、安全に運動を続けることが大切です。

継続のための工夫

運動療法の効果を得るためには、継続することが何より重要です。無理のない目標設定から始めることが、長く続けるコツといえます。いきなり高い目標を掲げると挫折しやすくなるため、週に2回から3回、1回15分程度から始めるなど、達成可能な目標を設定します。徐々に回数や時間を増やしていくことで、無理なく習慣化できます。 運動を楽しむための工夫も効果的です。音楽を聴きながら歩く、友人や家族と一緒に行う、景色の良い場所を選ぶなど、自分が楽しめる要素を取り入れることで、運動が苦痛ではなく楽しみになります。運動記録をつけて自分の進歩を可視化することも、モチベーション維持に役立ちます。

まとめ

血糖値の管理は、日々の積み重ねが重要な長期的な取り組みです。基準値を理解し、適切な食事と運動、必要に応じた薬物療法を組み合わせることで、良好なコントロールが可能になります。血糖値管理はダイエットとも密接に関連しており、適正体重の維持が血糖値の安定にもつながります。 血糖値に関する正しい知識を持ち、無理なく続けられる方法を見つけて実践することで、健康的な生活を送ることができるでしょう。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、専門家の指導を受けることをおすすめします。

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