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コーヒーが食欲に与える影響 ダイエット目的で活用する際の注意点について栄養士が解説

 公開日:2025/11/11
コーヒーが食欲に与える影響 ダイエット目的で活用する際の注意点について栄養士が解説

コーヒーが食欲に与える影響については、研究結果が一定していない部分もありますが、興味深い知見が報告されています。一時的な食欲抑制効果や血糖値への影響など、コーヒーと食欲調整の関係について現在わかっていることを解説します。ダイエット目的で活用する際の注意点についても触れていきます。。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

コーヒーと食欲調整の関係

コーヒーが食欲に与える影響については、研究結果が一定していない部分もありますが、いくつかの興味深い知見が報告されています。

食欲抑制効果の有無

カフェインには、一時的に食欲を抑制する作用がある可能性が示唆されています。これは、カフェインが視床下部に作用し、食欲調節ホルモンに影響を与えるためと考えられています。実際に、コーヒーを飲んだ後に空腹感が軽減されたと感じる方は少なくありません。しかし、この効果は個人差が大きく、また持続時間も短いため、食事制限の代替手段とはなりません。 いくつかの研究では、朝食前にコーヒーを飲むことで、その後の食事摂取量が減少する可能性が報告されています。一方で、別の研究では明確な食欲抑制効果が認められなかったという結果もあります。これらの相反する結果は、研究対象者の体質や食習慣、コーヒーの種類などの違いに起因していると考えられます。食欲抑制を目的としてコーヒーを利用する場合は、過度な期待は避け、あくまで補助的なものとして捉えることが適切です。

血糖値への影響とダイエット

コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があります。急激な血糖値の上昇は、インスリンの過剰分泌を招き、その結果として脂肪の蓄積が促進されることがあります。また、血糖値の急上昇後の急降下は、強い空腹感を引き起こし、間食や過食につながることがあります。 食事と一緒にコーヒーを飲むことで、血糖値の変動が穏やかになり、満腹感が持続しやすくなる可能性があります。ただし、砂糖を多く加えたコーヒーでは、この効果は期待できません。また、空腹時にコーヒーだけを飲むと、胃への負担や低血糖のリスクがあるため、食事と組み合わせて摂取することが望ましいです。ダイエットにおいては、コーヒーを含めた飲み物だけでなく、食事全体のバランスを整えることが重要です。

まとめ

コーヒーには、2型糖尿病や肝疾患、パーキンソン病のリスク低減といった健康効果がある一方で、睡眠障害や胃腸への負担、血圧上昇といったデメリットも存在します。適切な摂取量は1日3杯から4杯程度とされていますが、個人差が大きいため、自身の体調や反応を観察しながら調整することが重要です。ダイエット効果については、カフェインによる脂肪燃焼促進や代謝向上が期待できるものの、コーヒーだけで体重が減少するわけではありません。バランスの取れた食事と運動を基本とし、コーヒーを補助的に活用することで、健康的な生活をサポートできるでしょう。気になる症状がある場合や持病をお持ちの方は、医療機関にご相談ください。

この記事の監修管理栄養士

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