1日の適切なコーヒーの摂取量はご存じですか?
公開日:2025/11/10

健康効果を得ながらデメリットを避けるためには、適切な摂取量を守ることが重要です。国際的なガイドラインでは、健康な成人において1日400ミリグラム以下のカフェイン摂取が推奨されています。個人差や体質によって適量は異なるため、自分に合った摂取量を見極める方法についても解説します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
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目次 -INDEX-
1日の適切なコーヒー摂取量
健康効果を享受しつつ、デメリットを避けるためには、適切な摂取量を守ることが重要です。ここでは、科学的根拠に基づいた推奨量について説明します。国際的なガイドライン
欧州食品安全機関(EFSA)や米国のガイドラインでは、健康な成人において1日あたり400ミリグラム以下のカフェイン摂取が範囲とされています。これは、一般的なドリップコーヒーで換算すると約3杯から4杯に相当します。ただし、コーヒーの種類や抽出方法によってカフェイン含有量は異なるため、目安として理解する必要があります。 妊娠中や授乳中の方については、より低い摂取量が推奨されています。妊娠中は1日200ミリグラム以下(コーヒー約2杯)が望ましいとされており、これはカフェインが胎盤を通過し、胎児の発育に影響を与える可能性があるためです。また、子どもや青少年については、体重に応じた制限が設けられており、成人と同じ量を摂取すべきではありません。個々の体質や健康状態によって適切な量は異なるため、不安がある場合は医療機関で相談することをおすすめします。個人差を考慮した摂取量の調整
カフェインへの感受性は、遺伝的要因や代謝能力によって大きく異なります。カフェインを分解する酵素の働きには個人差があり、同じ量を摂取しても、ある方は数時間で代謝されるのに対し、別の方では10時間以上体内に留まることがあります。このため、一律の推奨量が全ての方に適しているわけではありません。 自分にとっての適量を見極めるには、コーヒーを飲んだ後の身体の反応を観察することが大切です。動悸や不安感、不眠などの症状が現れる場合は、摂取量が多すぎる可能性があります。また、コーヒーを飲まないと頭痛や倦怠感が強く出る場合は、依存が形成されている兆候かもしれません。健康状態や生活リズムに合わせて、柔軟に摂取量を調整することが、コーヒーを長く楽しむための鍵となります。まとめ
コーヒーには、2型糖尿病や肝疾患、パーキンソン病のリスク低減といった健康効果がある一方で、睡眠障害や胃腸への負担、血圧上昇といったデメリットも存在します。適切な摂取量は1日3杯から4杯程度とされていますが、個人差が大きいため、自身の体調や反応を観察しながら調整することが重要です。ダイエット効果については、カフェインによる脂肪燃焼促進や代謝向上が期待できるものの、コーヒーだけで体重が減少するわけではありません。バランスの取れた食事と運動を基本とし、コーヒーを補助的に活用することで、健康的な生活をサポートできるでしょう。気になる症状がある場合や持病をお持ちの方は、医療機関にご相談ください。参考文献