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コーヒーに含まれる成分と効果について管理栄養士が解説

 公開日:2025/11/05
コーヒーに含まれる成分と効果について管理栄養士が解説

コーヒーの健康への影響を正しく理解するためには、どのような成分が含まれているのかを知ることが重要です。コーヒーには1000種類を超える化学物質が含まれており、それぞれが身体にさまざまな作用をもたらしています。ここでは、代表的な成分であるカフェインとポリフェノールについて、その作用メカニズムと身体への影響を詳しく解説していきます。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

コーヒーに含まれる主要成分とその働き

コーヒーの健康効果を理解するには、まずその成分を知る必要があります。コーヒーには1000種類以上の化学物質が含まれており、それぞれが身体にさまざまな影響を与えています。

カフェインの作用メカニズム

コーヒーの代表的な成分であるカフェインは、中枢神経系に作用する物質です。脳内では、疲労や眠気を感じさせるアデノシンという物質の働きを抑制することで、覚醒作用をもたらします。カフェインは摂取後約30分から1時間で血中濃度がピークに達し、その効果は3時間から5時間程度持続します。ただし、代謝速度には個人差があり、体質や年齢、喫煙習慣などによって作用時間は変動します。この覚醒作用により、集中力の向上や作業効率の改善が期待できるのです。 また、カフェインは交感神経を刺激して基礎代謝を高める働きもあります。これにより、エネルギー消費量が一時的に増加することが知られています。運動前にカフェインを摂取すると、脂肪の分解が促進され、運動パフォーマンスの向上につながる可能性があります。ただし、カフェインへの感受性は個人差が大きく、同じ量を摂取しても効果の現れ方は人によって異なります。

ポリフェノールの抗酸化作用

コーヒーにはクロロゲン酸をはじめとする多様なポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは植物由来の化合物で、強力な抗酸化作用を持つことが特徴です。体内で活性酸素が過剰に生成されると、細胞やDNAが傷つき、老化や生活習慣病の原因となります。ポリフェノールはこの活性酸素を無害化する働きを担っているのです。 クロロゲン酸は特に注目されている成分で、血糖値の上昇を緩やかにする効果や、脂肪の蓄積を抑制する作用が研究によって示されています。焙煎度合いによってクロロゲン酸の含有量は変化し、浅煎りのコーヒーほど多く含まれる傾向があります。これらのポリフェノールは、日々の食生活の中で摂取できる貴重な抗酸化物質として、健康維持に貢献していると考えられます。

まとめ

コーヒーには、2型糖尿病や肝疾患、パーキンソン病のリスク低減といった健康効果がある一方で、睡眠障害や胃腸への負担、血圧上昇といったデメリットも存在します。適切な摂取量は1日3杯から4杯程度とされていますが、個人差が大きいため、自身の体調や反応を観察しながら調整することが重要です。ダイエット効果については、カフェインによる脂肪燃焼促進や代謝向上が期待できるものの、コーヒーだけで体重が減少するわけではありません。バランスの取れた食事と運動を基本とし、コーヒーを補助的に活用することで、健康的な生活をサポートできるでしょう。気になる症状がある場合や持病をお持ちの方は、医療機関にご相談ください。

この記事の監修管理栄養士

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