ポリフェノールの効果を減少させたり、健康に悪影響を与えたりする可能性のある組み合わせも存在します。鉄分豊富な食材との同時摂取による吸収阻害や、アルコールとの複雑な相互作用など、注意が必要なケースについてご説明します。適切な知識を持って摂取することで、ポリフェノールの健康効果を十分に得ることができるでしょう。
プロフィールをもっと見る
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
避けるべきポリフェノールと食材の危険な組み合わせ
ポリフェノールの効果を減少させたり、健康に悪影響を与えたりする可能性のある組み合わせも存在します。適切な知識を持って摂取することが、健康効果を最大限に得るために重要です。
鉄分豊富な食材との同時摂取による吸収阻害
ポリフェノールの中でも、特にタンニンを多く含む緑茶や紅茶、コーヒーは、鉄分の吸収を阻害することが医学的に確認されています。この相互作用は、特定の人群において健康上の問題を引き起こす可能性があります。
鉄分豊富な食材であるレバー、赤身肉、ほうれん草などと同時に摂取すると、鉄分の吸収が一時的に低下する可能性が報告されています。特に鉄不足のリスクが高い方では注意が必要です。鉄分は酸素運搬に必要不可欠な栄養素であり、不足すると疲労感や息切れなどの症状が現れます。
特に、月経のある女性や成長期のお子さん、妊娠中の女性では注意が必要です。鉄分を含む食事の前後1時間程度は、タンニンを多く含む飲み物を避けることが推奨されます。
アルコールとの複雑な相互作用
アルコールとポリフェノールの組み合わせには複雑な相互作用があり、摂取量や頻度によって効果が大きく変わります。適量であれば相乗効果も期待できますが、過度の飲酒はポリフェノールの効果を相殺してしまいます。
アルコールの代謝過程で発生する活性酸素により、ポリフェノールの抗酸化作用が消費されてしまうためです。また、アルコールは胃粘膜を刺激するため、タンニンを多く含むポリフェノールと組み合わせると、胃腸の刺激が強くなる可能性があります。
赤ワインなどポリフェノールを含む飲料に関する研究では心血管系への一定の保護効果が報告されていますが、厚生労働省やWHOは「健康のためにアルコールを積極的に摂取すべきではない」としています。飲み過ぎには十分注意が必要です。適度な摂取を心がけ、健康的な生活習慣の一部として取り入れることが大切です。
まとめ
ポリフェノールは私たちの健康維持において重要な役割を果たす成分です。適切な摂取量を心がけ、効果的な組み合わせを理解することで、その恩恵を最大限に活用できます。不足や過剰摂取による症状を避けながら、多様な食材から自然にポリフェノールを摂取し、バランスの取れた食生活を実践することが重要です。日々の食事にポリフェノール豊富な食材を取り入れ、健康的なライフスタイルを築いていきましょう。★