健康に良いとされるポリフェノールですが、過剰に摂取することで思わぬリスクが生じる可能性があります。特にサプリメントなどで大量摂取した場合、消化器系への負担や栄養素吸収の阻害といった問題が報告されています。適切な摂取量を守ることの大切さについて、具体的な影響とともにご説明します。健康的な生活を送るためには、適量を心がけることが重要です。
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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
ポリフェノール過剰摂取による予期せぬ健康リスク
ポリフェノールは健康に良い成分として知られていますが、過剰摂取により思わぬ健康リスクが生じることもあります。特にサプリメントでの大量摂取には十分な注意が必要です。
消化器系への負担と栄養素吸収の阻害
ポリフェノールの過剰摂取で懸念されるのは、消化器系への影響です。タンニンなど一部のポリフェノールは、胃粘膜を刺激し、胃痛や吐き気を引き起こすことがあります。
特に空腹時に大量摂取した場合、胃酸の分泌が促進され、胃の不快感や痛みが生じやすくなります。また、鉄分の吸収を阻害する性質があるため、過剰摂取により鉄欠乏性貧血のリスクが高まる可能性があります。
カルシウムやタンパク質の吸収にも影響を与えることがあり、特に成長期のお子さんや妊娠中の女性では注意が必要です。これらの栄養素は骨の形成や胎児の発育に重要な役割を果たすため、バランスを考慮した摂取が大切です。
肝機能への負担と薬物相互作用のリスク
大量のポリフェノールを継続的に摂取すると、肝臓での代謝に負担をかける可能性があります。肝臓は体内の解毒を担う重要な臓器であり、過度な負担により機能低下を招くことがあります。
特に、カテキンやイソフラボンなどを高濃度で含むサプリメントの長期服用により、肝機能検査値の異常が報告されています。定期的な健康診断での肝機能チェックが推奨されます。
また、ポリフェノールは薬物代謝酵素に影響を与えるため、処方薬の効果を増強または減弱させる可能性があります。抗凝固薬や血圧降下薬を服用中の方は、医師との相談が特に重要です。自己判断でのサプリメント摂取は避け、医療従事者の指導のもとで適切に摂取することが大切です。
まとめ
ポリフェノールは私たちの健康維持において重要な役割を果たす成分です。適切な摂取量を心がけ、効果的な組み合わせを理解することで、その恩恵を最大限に活用できます。不足や過剰摂取による症状を避けながら、多様な食材から自然にポリフェノールを摂取し、バランスの取れた食生活を実践することが重要です。日々の食事にポリフェノール豊富な食材を取り入れ、健康的なライフスタイルを築いていきましょう。★