「狭心症」の症状が生活を奪う? 家事・仕事に支障が出る前に知るべきリスクとは
公開日:2025/11/18

狭心症の症状は患者さんの生活の質に大きな影響を与えます。症状の程度や頻度によって、日常生活での活動制限の度合いも変わってきます。ここでは狭心症による身体的な活動制限と生活の変化、さらに症状がもたらす心理的な影響とその対処法について詳しく説明します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
目次 -INDEX-
狭心症の症状における日常生活への影響
狭心症の症状は患者さんの生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。症状の程度や頻度によって、日常生活の制限の度合いも変わってきます。活動制限と生活の変化
狭心症の症状により、患者さんはさまざまな活動制限を余儀なくされます。軽度の場合でも、激しい運動や重労働は避ける必要があり、中等度以上になると日常的な階段昇降や坂道歩行でも症状が現れるようになります。 重度の狭心症では、平地での短距離歩行でも症状が現れ、洗髪、入浴、着替えなどの基本的な日常生活動作にも支障をきたします。このような状態では、家事や仕事への参加が困難となり、社会的な活動からも次第に遠ざかってしまう傾向があります。 また、症状に対する不安から、外出を控えるようになったり、他の方との交流を避けるようになったりする患者さんも多く見られます。これにより身体活動量がさらに低下し、心肺機能の悪化や筋力低下を招く悪循環に陥ることがあります。心理的影響と対処法
狭心症の症状は身体的な苦痛だけでなく、精神的な負担も大きいものです。「いつ発作が起こるかわからない」という不安により、常に緊張状態にある患者さんも多く、これがストレスとなってさらに症状を悪化させることがあります。 睡眠障害も狭心症患者さんによく見られる問題です。夜間の発作への不安や、異型狭心症による夜間の症状により、十分な睡眠を取ることが困難になることがあります。睡眠不足は心臓への負担を増加させ、症状の悪化につながる可能性があります。 このような心理的影響に対しては、適切な薬物治療により症状をコントロールすることで不安を軽減することが重要です。また、病気に対する正しい理解を深めることで、過度な不安を取り除き、適切な活動レベルを維持することが可能になります。まとめ
狭心症は適切な診断と治療により症状の改善と予後の改善が期待できる疾患です。症状を見逃さず早期に医療機関を受診すること、危険因子の管理を継続すること、医師の指示に従って治療を続けることが重要です。胸の痛みや圧迫感などの心臓に関する症状でお困りの際は、循環器内科にご相談ください。参考文献