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痛風発作を起こさないために知っておきたい尿酸値の目安と対策を医師が解説

 公開日:2025/11/16
痛風発作を起こさないために知っておきたい尿酸値の目安と対策を医師が解説

尿酸値は血液検査で測定され、通常「mg/dL」の単位で示されます。7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断され、これは尿酸が飽和して結晶化しやすくなる水準です。ただし、数値が高くてもすぐに痛風を発症するわけではなく、長期間続くことで関節や腎臓に尿酸が蓄積し、発作や腎障害のリスクが高まります。尿酸値は食事・飲酒・運動・薬剤などにより変動するため、1回の測定結果だけで判断せず、複数回の検査で総合的に評価することが大切です。また、痛風発作中は一時的に尿酸値が下がることがあるため、測定時期にも注意が必要です。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

痛風と尿酸値の基準と測定方法

尿酸値は血液検査で測定され、通常「mg/dL」で示されます。一般的に7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断され、これは尿酸が飽和して結晶化しやすくなる水準です。
ただし、数値が高くてもすぐに痛風を発症するわけではなく、長期間続くことで関節や腎臓に尿酸が蓄積し、発作や腎障害のリスクが高まります。8.0mg/dLを超えると発作リスクが上昇し、9.0mg/dL以上では痛風発作や腎障害のリスクが高くなるため、医師と相談のうえで治療を検討します。

尿酸値は食事・飲酒・運動・薬剤などにより変動します。1回の測定結果だけで判断せず、複数回の検査で総合的に評価することが大切です。また、痛風発作中は一時的に尿酸値が下がることがあるため、測定時期にも注意が必要です。

尿酸値と痛風発作の関係

尿酸値が高いほど発作のリスクは上昇します。7.0mg/dL未満ではリスクは低いものの、7.0mg/dLを超えると尿酸が結晶化しやすくなり、8.0mg/dL以上では発作を起こす確率が高くなります。
9.0mg/dLを超える場合、数年以内に痛風を経験する可能性が高いとされます。
発作を起こした方は6.0mg/dL以下を目標に維持することが望ましく、関節内の結晶が溶けて再発を防ぐ効果があります。尿酸値のコントロールは、腎臓や血管の保護にもつながります。

尿酸値を下げるための治療法

治療は生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて行います。
食事ではプリン体を多く含む食品を控え、野菜や乳製品を取り入れてバランスを整えます。アルコールを減らし、十分な水分摂取と適度な運動を心がけることが基本です。肥満のある方は、急激なダイエットを避け、緩やかな減量を目指します。

薬物療法では、尿酸の産生を抑える尿酸生成阻害薬(アロプリノール・フェブキソスタット)や、排泄を促す尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン・プロベネシド)が使われます。
これらを継続的に使用することで尿酸値を安定させ、発作の再発や関節・腎臓への負担を防ぐことができます。

まとめ

痛風は、適切な知識と治療により十分にコントロール可能な疾患です。尿酸値が高いと指摘された方や、痛風発作を経験した方は、早期に専門医を受診し、総合的な評価を受けることが推奨されます。生活習慣の見直しと薬物療法を組み合わせることで、痛風発作の再発を防ぎ、関節や腎臓の健康を長期にわたって守ることができます。痛みや不安を抱えたまま過ごすのではなく、専門家の支援を受けながら、前向きに治療に取り組むことが大切です。健康診断の結果を軽視せず、早めの相談と継続的な管理を心がけることで、質の高い生活を維持できます。

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