症状がなくても安心できない!尿酸値が高い人が注意すべき初期サイン

痛風は突然の激痛と強い発赤・腫脹を伴う単一関節の炎症が特徴ですが、他の関節疾患とも症状が重なることがあるため、正確な見極めが重要です。関節リウマチは左右対称の複数関節に慢性的な腫れと朝のこわばりが続き、変形性関節症は加齢や使い過ぎが背景で動作時に痛みが強まります。感染性関節炎は発熱を伴い急速に悪化するため、迅速な対応が必要です。確定診断には関節液検査が有用で、痛風では尿酸結晶、感染では細菌が確認されます。適切な鑑別により、効果的な治療につなげることができます。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
痛風の初期症状と他の関節疾患との鑑別
痛風は他の関節疾患と症状が重なるため、正確な見極めが大切です。痛風の特徴は、単一の関節に突然おこる激痛と強い発赤・腫脹です。
一方、関節リウマチは左右対称の複数関節に慢性的な腫れと朝のこわばりが続きます。変形性関節症は加齢や使い過ぎが背景で、動作時に痛みが強まり、急激な激痛はまれです。感染性関節炎は発熱を伴い急速に悪化します。確定には関節液検査が有用で、痛風では尿酸結晶、感染では細菌が確認されます。
無症候性高尿酸血症というサイン
症状がなくても尿酸値が高い状態が長く続くと、関節や腎臓に徐々に蓄積し、ある日突然の発作につながります。健診で高尿酸を指摘されたら、自覚症状がなくても生活改善と必要時の薬物療法を検討し、目安は7.0mg/dL未満の維持を目指します。腎機能低下や尿路結石のリスク上昇にも注意します。
放置で進む慢性化と合併症
再発を繰り返すと発作間隔が短くなり、多関節に広がりやすくなります。耳介や肘・指・足背などに痛風結節(尿酸の塊)ができ、関節の変形や機能障害、皮膚の破綻を招くこともあります。さらに腎結石や慢性腎臓病の危険も高まるため、初期から尿酸コントロールを継続することが重要です。
まとめ
痛風は、適切な知識と治療により十分にコントロール可能な疾患です。尿酸値が高いと指摘された方や、痛風発作を経験した方は、早期に専門医を受診し、総合的な評価を受けることが推奨されます。生活習慣の見直しと薬物療法を組み合わせることで、痛風発作の再発を防ぎ、関節や腎臓の健康を長期にわたって守ることができます。痛みや不安を抱えたまま過ごすのではなく、専門家の支援を受けながら、前向きに治療に取り組むことが大切です。健康診断の結果を軽視せず、早めの相談と継続的な管理を心がけることで、質の高い生活を維持できます。