「糖尿病で足を切断」する判断基準とは?糖尿病で足を切断する理由も解説!

糖尿病は血糖値のコントロールが難しく、進行すると足の血管や神経に障害を起こすことがあります。これにより足の感覚が鈍くなったり、傷が治りにくくなったりして、感染や壊疽(えそ)を起こすと切断が必要です。実際、糖尿病による足の切断は重い合併症のひとつです。本記事は、なぜ足を切断するのかを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「糖尿病で足を切断」する判断基準とは?足を切断するまでの症状の進み方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 規絵(医師)
目次 -INDEX-
糖尿病で足を切断する理由と割合

なぜ糖尿病で足を切断することになるのですか?
神経障害があると痛みや熱さを感じにくくなり、タコや靴ずれ、やけどなどの小さなトラブルに気付かず放置してしまいます。
一方で、末梢動脈疾患などの血流障害があると、傷に必要な酸素や栄養が届かず、傷が治りにくく感染が悪化しやすいです。この感覚が鈍い、血が流れにくい、感染に弱い条件が重なると、足先の組織が腐る壊疽となり、命を守るために足の一部や下肢を切断せざるをえない場合があります。
参照:『糖尿病性足病変【症状と診断、フットケア】』(日本医科大学武蔵小杉病院)
治療で足を温存することはできないのですか?
参照:『フットケア|糖尿病情報センター』(国立健康危機管理研究機構)
足を切断する判断基準を教えてください
判断の大きな基準は、以下の3点です。
- 壊疽や感染がどこまで広がっているか
- 血流(血管の詰まり)がどの程度悪いか
- 治療を続けても生命や全身状態に危険が及ばないか
具体的には、足首より上まで壊疽や骨髄炎・重症感染がおよび、血行再建や局所の切除では感染を抑えられない場合、命を守るために膝下や膝上での切断が検討されます。どの高さで切断するかは、残した部分の血流と、将来義足で歩ける可能性を考えながら、多職種チームと本人・家族で話し合って決めていきます。
参照:『糖尿病足病変の切断術』(全身疾患に伴う足部障害)
糖尿病で足の切断にいたる方の人数や割合を教えてください
足潰瘍は再発が多く、難治性で7〜20%が下肢切断となり、糖尿病患者さんの足切断の80〜85%は足潰瘍が先行します。糖尿病患者さんの下肢切断頻度は、1年間に78〜704人/10万人ほどで、非糖尿病患者さんの7.4から41.3倍に上ります。
参照:『11章糖尿病性足病変』(糖尿病診療ガイドライン2024)
編集部まとめ

糖尿病は、高血糖が続くことで足の神経障害と血流障害が進み、小さな傷や靴ずれから潰瘍・感染・壊疽へ進行し、命を守るために足の切断が必要になることがあります。
糖尿病患者さんの下肢切断リスクは、糖尿病のない方より大幅に高いことが報告されており、早期発見と予防がとても重要です。多くは、しびれや冷え、タコやひび割れ、治りにくい傷などのサインを経て重症化します。毎日の足の観察とフットケア、血糖・血圧・脂質管理、禁煙、合わない靴を避けること、異常を見つけたときの早期受診により、多くの足切断は防げる可能性があります。
参考文献