「知的障害」にはどんな「支援」があるかご存知ですか?【医師監修】

周囲の子と比べて発達がゆっくりで、「どうしてできないのだろう」と不安になることもあるかもしれません。知的障害は主に発達期に生じる障害で、知的な発達が遅れ日常生活に支援が必要な状態を指します。単なる努力不足や個性の問題ではなく、適切なサポートを受けることでその方なりの生活を送ることが可能です。本記事では、知的障害の利用できる支援について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「知的障害」にはどんな「特徴」が現れるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
前田 佳宏(医師)
・精神科/心療内科医
・精神保健指定医
「泣きたくなったら壁を押せ」著者
大人と子どもの双方で、トラウマや愛着障害に心理療法的アプローチを用いる医師。これまでのべ3,000人以上の臨床に携わる。
島根大学医学部卒業。その後、東京大学医学部附属病院精神神経科に入局、東京警察病院や国立精神神経医療研究センター等を経て、児童精神科外来を3年間、トラウマ専門外来を2年間担当。著書『泣きたくなったら壁を押せ』(サンマーク出版、2026年)では、心理療法のプロセスを物語として描き、私たちの感情の奥にある“適応の物語”をたどった。その視点をともに探る場として、オンラインコミュニティ「しなここメイト」を主宰。cotree顧問医。産業医。日本小児精神神経学会所属。
目次 -INDEX-
知的障害への支援

知的障害が疑われるときはどこに相談すればよいですか?
大人の場合は、市区町村の障害福祉担当窓口や保健所、保健センターに相談してください。福祉サービスの情報提供や、必要に応じて専門医療機関や発達障害者支援センターへの紹介を受けられます。
学校や児童支援ではどのようなサポートを受けられますか?
就労や社会生活でどのようなサポートが必要ですか?
生活面では、グループホームや福祉型入所施設での支援、日中の生活介護サービスがあります。また、療育手帳の取得で、年金受給や税金、公共料金の減免、医療費補助などさまざまな福祉サービスが受けやすくなります。このように、安心して働いて暮らせるよう、両方からのサポート体制が必要です。
子どもの頃と大人になってからでサポート内容は変わりますか?
大人になると、就労支援や地域生活の支援に比重が移ります。福祉サービスで生活を支え、仕事探しや金銭、健康管理のサポートが中心です。
小さい頃から将来を見据えて支援機関と情報共有し、切れ目なくサポートを継続していくことが理想的です。各自治体には障害者相談支援センターなど、大人の障害者を包括支援する窓口もありますので、成長に伴い利用できるサービスを柔軟に見直していきましょう。
編集部まとめ

知的障害は決して珍しい障害ではなく、誰にでも起こりうる発達障害の一つです。本人の意志で克服できるものではないため、早期に適切な支援につなげることが大切です。しかし、子どもの頃から大人になるまで、必要な支援の形は変化します。そのため、生涯にわたって利用できる制度やサービスが整備されています。決して一人で抱え込まず、行政や専門家の力を借りながら環境を調整していけば、知的障害があっても社会でその人らしく成長、活躍することができます。