「知的障害」は日常生活でどんなことに困りやすい?【医師監修】

周囲の子と比べて発達がゆっくりで、「どうしてできないのだろう」と不安になることもあるかもしれません。知的障害は主に発達期に生じる障害で、知的な発達が遅れ日常生活に支援が必要な状態を指します。単なる努力不足や個性の問題ではなく、適切なサポートを受けることでその方なりの生活を送ることが可能です。本記事では、知的障害の基礎知識について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「知的障害」にはどんな「特徴」が現れるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
前田 佳宏(医師)
・精神科/心療内科医
・精神保健指定医
「泣きたくなったら壁を押せ」著者
大人と子どもの双方で、トラウマや愛着障害に心理療法的アプローチを用いる医師。これまでのべ3,000人以上の臨床に携わる。
島根大学医学部卒業。その後、東京大学医学部附属病院精神神経科に入局、東京警察病院や国立精神神経医療研究センター等を経て、児童精神科外来を3年間、トラウマ専門外来を2年間担当。著書『泣きたくなったら壁を押せ』(サンマーク出版、2026年)では、心理療法のプロセスを物語として描き、私たちの感情の奥にある“適応の物語”をたどった。その視点をともに探る場として、オンラインコミュニティ「しなここメイト」を主宰。cotree顧問医。産業医。日本小児精神神経学会所属。
目次 -INDEX-
知的障害の基礎知識

知的障害とはどのような障害ですか?
知的障害の分類について教えてください
| 分類 | IQの目安 |
|---|---|
| 軽度知的障害 | 50~70程度 |
| 中等度知的障害 | 35~50程度 |
| 重度知的障害 | 20~35程度 |
| 最重度知的障害 | 20未満 |
これらの特徴はあくまで一般的な目安であり、発達の進み方や得意や不得意は一人ひとり異なります。
参照:『知的障害児(者)基礎調査:調査の結果』(厚生労働省)
知的障害だと日常生活の自立面で困りやすいことを教えてください
また、重度の知的障害の場合は食事や入浴、着替えなど基本的な身の回りの動作ですら一人では行えず、継続的な介助を必要とすることもあります。このように、知的障害があると金銭管理や交通機関の利用、家事や身辺処理など生活のあらゆる場面で健常者よりも苦手に感じることが多く、日常生活の自立には周囲のサポートが欠かせません。
知的障害がある場合、学習面でどのような困りごとが考えられますか?
編集部まとめ

知的障害は決して珍しい障害ではなく、誰にでも起こりうる発達障害の一つです。本人の意志で克服できるものではないため、早期に適切な支援につなげることが大切です。しかし、子どもの頃から大人になるまで、必要な支援の形は変化します。そのため、生涯にわたって利用できる制度やサービスが整備されています。決して一人で抱え込まず、行政や専門家の力を借りながら環境を調整していけば、知的障害があっても社会でその人らしく成長、活躍することができます。