「ADHD」が疑われる際どのような診断基準で検査を行う?治療法も解説!【医師監修】

ADHDは、不注意や衝動性などの症状によって日常生活に支障をきたす疾患です。ADHDは顔つきや外見ではなく、国際的に広く用いられている診断基準に基づいて、医師の診察によって診断されます。
※この記事はMedical DOCにて『「ADHDの女性は顔つき」でわかるの?ADHDの女性が困りやすいことも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
前田 佳宏(医師)
目次 -INDEX-
ADHDが疑われるときの対処法と検査、治療法

ADHDかもしれないときは何科を受診すればよいですか?
ADHDが疑われる際の病院での検査法と診断基準を教えてください
ADHDの診断は、国際的に広く用いられている診断基準に基づいて行われます。日本では、主にアメリカ精神医学会が作成した精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5-TR)や、世界保健機関(WHO)が作成した国際疾病分類(ICD-11)が用いられます。ここではDSM-5-TRの診断基準に沿って解説します。
ADHDは、不注意と多動性・衝動性の二つの症状によって診断します。どちらも9項目ずつあり、合計18項目を確認します。不注意に関する9項目は次のとおりです。
- 細部に注意を払えない、または不注意な間違いをする
- 課題や遊びで注意を維持することが難しい
- 直接話しかけられても、聞いていないように見える
- 指示に従えず、課題をやり遂げられないことが多い
- 課題や活動を手際よく行えないことが多い
- 精神的な集中力の持続が必要な課題を避けたり嫌ったりする
- 課題や活動に必要なものをなくしやすい
- 外からの刺激によってすぐに気が散る
- もの忘れが多い
多動性・衝動性に関する9項目は次のとおりです。
- 手足を落ち着きなく絶えず動かしたり、身体をくねらせるなど動かしたりする
- 離れるべきではない状況で、席を離れる
- 不適切な状況で走り回ったり、よじ登ったりする
- 静かに遊ぶこと、活動することが難しい
- 絶えず動き回り、エンジンで動かされているように止まることなく活動する
- 過度にしゃべる
- 質問が終わる前に答えを出し始める
- 順番を待つことが難しい
- 他者の活動を邪魔したり、割り込んだりする
どちらのカテゴリも6項目以上(17歳以上は5項目以上)が基準となり、少なくとも6ヶ月以上にわたり持続していることとされています。また、以下の条件を満たす必要があります。
- 少なくともいくつかの症状が、12歳になる前に現れている
- これらの症状が2つ以上の状況(学校と家庭など)において存在する
- 症状が、ほかの精神疾患によるものではない
- 症状が、社会的、学業的、職業的機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている
なお、不注意のみが基準を満たす場合は不注意優勢型、多動性・衝動性のみが基準を満たす場合は多動性・衝動性優勢型、両方ともに基準を満たす場合は混合型、の3つに分類されます。
ADHDと診断された場合はどのように治療しますか?
薬物療法は、脳内の神経伝達物質に作用する薬剤で症状の緩和を目指します。中枢神経刺激薬(メチルフェニデート塩酸塩徐放剤)や非刺激薬(アトモキセチン、グアンファシン塩酸塩徐放剤)が使用されます。
ADHDの女性が気を付けることを教えてください
編集部まとめ

ADHDは、顔つきや外見では判断できません。行動や生活上の特徴を総合的に評価して診断します。大人になってから生活上の問題として顕在化するケースもあります。気になる症状がある場合は、早めに精神科や心療内科を受診しましょう。環境調整や精神療法、必要に応じて薬物療法を受けることで、生活における困難さの軽減が期待できます。
参考文献