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「糖尿病」ってどんな病気?症状・原因も解説!【医師監修】

 公開日:2025/12/17

本記事では糖尿病の概要について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「糖尿病」を発症すると初期段階で「爪」にどんな変化が現れる?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

糖尿病の概要

糖尿病の概要

糖尿病とはどのような病気ですか?

糖尿病とは、インスリンの作用不足によって血液中のブドウ糖(血糖)が異常に高くなる慢性的な代謝性疾患です。血糖値が高い状態が長期間続くことで全身の血管や神経が徐々に傷つき、放置すると足壊疽(えそ)や糖尿病網膜症、腎不全などさまざまな合併症につながります。また、糖尿病は主に1型と2型に分けられます。1型糖尿病は自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなります。これに対して2型糖尿病は、遺伝的な要因に、食生活の乱れや運動不足などの生活習慣が重なることで発症します。

糖尿病の主な症状を教えてください

初期の糖尿病では自覚症状がほとんどないことも珍しくありません。しかし、血糖値が著しく高くなると現れる典型的な症状があります。それは次のような症状です。

  • 喉が渇いて水分を多く摂る
  • 尿の回数が増える
  • 食べているのに体重が減る
  • 疲れやすくなる

このほかにも傷が治りにくい、手足のしびれ、目のかすみなどが現れることもあります。ただし、症状が出ないまま進行するケースも多いため、これらの症状がないからといって糖尿病ではないとはいえません。

なぜ糖尿病になるのですか?

糖尿病の発症には遺伝的要因と生活習慣などの環境要因が関与します。特に2型糖尿病ではもともとの遺伝要因に、日ごろの食べすぎや運動不足、肥満などが重なると、インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)となり、血糖が細胞に取り込まれず血液中に蓄積してしまうことが原因です。また、加齢やストレス、喫煙なども発症リスクを高める因子です。

一方、1型糖尿病の大部分は膵臓のβ細胞が自己免疫で破壊されインスリンが不足することで発症しますが、患者数は2型糖尿病と比較して多くありません。

編集部まとめ

編集部まとめ
糖尿病は珍しくない病気ですが、初期には症状が乏しく気付きにくい一面があります。一方で今回解説したように、爪の色や形の変化は糖尿病のサインの一つとなりえます。爪に現れる異変自体は決して特異的なものではないものの、「いつもと違う」「ほかの症状も心当たりがある」と感じたら見逃さず、早めに医療機関で検査を受けるようにしましょう。

糖尿病を放置すると、足の潰瘍や壊疽など重篤な足病変に発展し、最悪の場合足の切断が必要になることもあります。そうならないためにも早期発見と適切な治療と管理が何より重要です。糖尿病と診断されても、血糖コントロールと生活習慣の改善によって合併症予防しを健康な生活を送ることは十分可能です。日頃から爪を含め自分の身体の小さな変化に目を向けるとともに、バランスのよい食事や適度な運動、禁煙など生活習慣の改善に取り組みましょう。

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