「糖尿病」と診断されたら「お酒や甘いもの」は食べられないの?【医師監修】
公開日:2025/12/10

2型糖尿病と診断されると、毎日の食事内容が気になってきませんか。「甘いものはすべて控えるべき?」「ごはんも減らさなければいけない?」などといった疑問を抱くのではないでしょうか。
本記事では、糖尿病の患者さんが糖質を多く含む食べ物・飲み物を摂りたくなったときの対処法などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「糖尿病」を発症したら「避けた方がいい食べ物や飲み物」はご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
上田 莉子(医師)
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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医
目次 -INDEX-
糖尿病の患者さんが糖質を多く含む食べ物・飲み物を摂りたくなったときの対処法

糖尿病と診断されたら甘いものは食べられないのですか?
糖尿病と診断されても、甘いものを一切食べてはいけないというわけではありません。糖尿病の食事療法は、厳しい制限を目的とするものではなく、血糖値を安定させ、合併症を予防することが基本です。大切なのは、無理なく続けられる“健康的な食習慣”を築くことです。
甘いものは、空腹時に食べると血糖値が急上昇しやすいため、摂るなら食後に少量をゆっくり味わうなど、タイミングや量に工夫をしましょう。また、日常的に習慣化しないことも意識するとよいでしょう。
甘いものを完全に我慢しすぎると、かえってストレスがたまり、過食や血糖コントロールの乱れにつながることもあります。だからこそ、心と身体のバランスを保つためにも、上手に甘いものと付き合うことが大切です。
甘いものは、空腹時に食べると血糖値が急上昇しやすいため、摂るなら食後に少量をゆっくり味わうなど、タイミングや量に工夫をしましょう。また、日常的に習慣化しないことも意識するとよいでしょう。
甘いものを完全に我慢しすぎると、かえってストレスがたまり、過食や血糖コントロールの乱れにつながることもあります。だからこそ、心と身体のバランスを保つためにも、上手に甘いものと付き合うことが大切です。
甘いものが食べたくなったときの対処法を教えてください
甘いものを食べたいという気持ちは自然なことです。無理に我慢しすぎるとストレスになり、かえって過食や血糖コントロールの乱れを招くことがあります。そんなときは、まず血糖値に配慮した間食に置き換えてみましょう。ナッツ類や無糖ヨーグルトなどは、満足感がありながら血糖値の急上昇を防ぎます。また、甘いものを摂る場合は、空腹時を避け、食後に少量をゆっくり味わうようにするとよいでしょう。甘味を好む習慣を見直すために、無糖のお茶や炭酸水などを飲むようにしましょう。
どのようなお酒なら飲んでも問題ありませんか?
糖尿病と診断されても、すべてのお酒が飲めなくなるわけではありません。ただし、糖尿病の方がお酒を楽しむ際には、種類や量に注意を払うことが大切です。お酒には糖質やカロリーが含まれており、これらが血糖値や体重に影響を与えます。
なかでもビールやチューハイ、カクテルなどは糖質を多く含むため、血糖値を急激に上げてしまうおそれがあります。一方で、ウィスキーや焼酎、といった蒸留酒は糖質をほとんど含みませんが、アルコールそのものにカロリーが含まれていることから、飲み過ぎは体重増加の原因となります。
糖尿病の方がお酒を飲む場合は、お酒の種類や量に配慮し、適度な飲酒を心がけることが大切です。
なかでもビールやチューハイ、カクテルなどは糖質を多く含むため、血糖値を急激に上げてしまうおそれがあります。一方で、ウィスキーや焼酎、といった蒸留酒は糖質をほとんど含みませんが、アルコールそのものにカロリーが含まれていることから、飲み過ぎは体重増加の原因となります。
糖尿病の方がお酒を飲む場合は、お酒の種類や量に配慮し、適度な飲酒を心がけることが大切です。
どうしても我慢できずに甘いものを摂取してしまったときの対処法を教えてください
甘いものを食べてしまっても、必要以上に自分を責める必要はありません。大切なのは、その後の対応です。まずはその次の食事でご飯やパンなどの炭水化物や脂質の量を控え、全体のカロリーを調整しましょう。さらに、軽いウォーキングやストレッチ、筋トレなどを行うと、血糖値の急上昇を抑えるのに効果的です。
日頃から血糖値や体重、食事内容を記録することで、自分の身体の反応を知り、次回以降の判断に役立ちます。
完璧を求めすぎず、ときにはご褒美として少量の甘いものを楽しむことも、無理のない糖質との付き合い方になります。
日頃から血糖値や体重、食事内容を記録することで、自分の身体の反応を知り、次回以降の判断に役立ちます。
完璧を求めすぎず、ときにはご褒美として少量の甘いものを楽しむことも、無理のない糖質との付き合い方になります。
編集部まとめ

糖尿病の患者さんの食事との付き合い方は、単なる食事制限ではなく、バランスの取れた健康的な食習慣を築くことが本質です。特定の食品を完全に避ける必要はありませんが、糖質や脂質、食塩の摂りすぎ、エネルギーの過剰摂取には注意が必要です。
日々の食事が“制限”ではなく、工夫と選択であることを意識して、何を食べるか、だけでなく、どのように食べるかも健康維持の鍵となります。