目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「糖尿病による壊疽の初期症状」はご存知ですか?【医師監修】

「糖尿病による壊疽の初期症状」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2026/01/23

糖尿病の壊疽について聞いたことはありますか?糖尿病は身近でよく聞く疾患ですが、合併症や症状、治療を知らない方も多いでしょう。特に糖尿病性壊疽は罹患すると残りどのくらい生きられるか(生命予後)、また、どのくらい元のように動けるようになるか、生活できるようになるか(機能予後)の両面で重要な病態です。糖尿病性壊疽をよく知り、防ぎましょう。

※この記事はメディカルドックにて『「糖尿病の壊疽(皮膚障害)」になるとどんな症状が現れる?壊疽の初期症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

プロフィールをもっと見る
関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

糖尿病による壊疽の初期症状と危険性

糖尿病による壊疽の初期症状と危険性

壊疽には前兆や初期症状はありますか?

糖尿病性壊疽の初期症状は、目立たず気付きにくいのが特徴です。壊疽となる前に、神経障害に気付き、足のケアを予防的に行うことが重要です。神経障害があり、足の裏や指先の感覚が鈍くなると、傷や感染に気がつきにくくなります。血流の低下により足先の色が白っぽくなったり、うっ血や虚血により紫や黒っぽくなったりという変化も起こります。足の冷感や脈が触れにくい症状も末梢血流障害の兆候としてあらわれます。

実際に、小さな傷ができたとき、さらに注意が必要です。靴ずれ、爪の食い込み、虫刺され、水ぶくれや皮膚の乾燥、ひび割れなどが起こっていないか、足を毎日よく観察することが重要です。

壊疽の初期症状を放置するとどうなりますか?

壊疽の初期症状を放置すると、感染を併発してさらに治癒が難しくなります。潰瘍が進むと、もとに戻れない非可逆的変化がおこります。

感染が皮下組織や骨に広がると、蜂窩織炎や骨髄炎となり、歩けなくなることもあります。強い抗菌薬や入院治療が必要になることもあります。しかし、血流が悪いために局所に抗菌薬が届きにくく、感染制御不能になることも多いです。さらに時間が経過すると命を守るために足指、足首、下腿などを切断せざるをえなくなる場合があります。このような場合、日常生活に大きな影響を及ぼし、介護が必要になることもあります。

糖尿病によって足の切断を余儀なくされる方の割合を教えてください

海外では、糖尿病の足潰瘍の有病率は1.5~10%、 足切断率は年間0.3~0.6%と報告があります。日本では、糖尿病足潰瘍の年間発症率が0.3%、 切断率は0.05%程度と海外の10分の1とする報告が多いです。

編集部まとめ

編集部まとめ

糖尿病で発症する壊疽の初期症状や予防、治療法を解説しました。糖尿病は全身に影響を及ぼす疾患であり、特に壊疽は集学的治療が必要な疾患です。生命予後も悪いため、予防と早期発見、早期治療が重要になります。糖尿病と診断された場合、フットケアを定期的に正しく行い、壊疽を未然に防ぎましょう。

この記事の監修医師

注目記事